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 はい、早くも運動会当日。


 必死に特訓したあの一週間を私は忘れない……いや、忘れることができない。体力がなく、運動音痴な私へシュルトが出した特訓は……思い出したくないほど恐ろしかった。


「ふっ。だが、今こそ特訓の成果を出すときだっ!」


「おい、リーダー。招集かかってんぞ」


「ルーズが行きたまえ。私は忙しいのだよ、主に脳が」


「いや、知らねぇよ。早く行け」


「あでっ……!」


 お尻を華麗に蹴られた。くそう、お尻が四つになったらどうしてくれるんだ。


 そうブツブツと脳内で呟きながら招集場所まで歩く。


「おはよう! リラちゃん!」


「今日はよろしくねー!」


 明るく声をかけてくれるのは、商店街のおじさんとおばさんたち。それから魔法使い友達のみんな。


 うん。みんな心なしかウキウキソワソワしている。


 ……あ、そうか。今回の運動会の優勝賞品が温泉旅行だからか。なるほど、みんなやる気満々だな。もちろん私もだけど。だが、勘違いされては困る。私が狙ってるのは優勝賞品ではなく、各種目につく一位賞品である。


「……」


 その中で私の大本命は絶対方向音痴ナオールである。これは滅多にお目にかかれない代物だ。なぜならこれを造った魔法使いが効力を上げるために、数ヶ月に一度しか造らないからだ。それが今回賞品として登場するとチラシに書いてあった。


「そこまでは……」


 そこまでは良かったのだ。ただその賞品がある種目が障害物リレー……もちろん運動音痴な私は崩れ落ちた。


「だが、しかーし! 私には強い味方であるシュルトがついている! それにレオナとルーズもいる!」


「はい。やる気満々のところ悪いけどちゃんと話を聞いてねー」


「すみません!」


 やっちゃったよ……脳内の声がどこまで漏れていたかわからないけど、とりあえず今言えることは恥ずかしいだ。


 また今みたいなことが起こらないよう私は考えることをやめ、町長の話を真面目に聞いた。

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