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無事に魔石を採り終え、カグラの家に帰宅した私たち。焔に触れて熱くなった手には薬を塗ってもらった。
「……」
じっと手のひらを見つめ、首を少し傾げる。
これ塗ってもらったと言うよりは、盛ってもらったのほうが正しいかもしれない。
「こんだけ盛れば大丈夫だよな?」
うん。やっぱり盛ってもらったで正しいみたいだ。だって今カグラが盛ればって言ったし。
「うん……いや、でも、ちょっと盛りすぎかな」
「この前はこれより少なくて時間かかったからな。これくらい盛っとけば早く治るんだから我慢しろよ」
「そうする」
この薬は特別なもので体に浸透すると傷の治りが早くなる。つまり塗りすぎぐらいがちょうどいいのだ。でもこの薬の難点は、体に浸透するまで動けないことだ。
動きたいのをじっと我慢している私。しかも手のひらを上げたままにしなければならないから、ある意味筋トレしているみたいになってぷるぷるしてくる。
早く……浸透しないかな。このままだと筋肉痛になってしまう。
これ魔石を採りに来るたび思っている気がする。
「カグラ」
「ん、なんだよ?」
「今回もありがとう。すごく助かった」
「どーいたしまして」
「またよろしくね」
「あー、はいはい。任せとけ」
「カグラの魔石案内はさ、不器用だけど優しくて丁寧だよね」
「は? 突然どーした? 頭もやられたか? 薬さらに盛っとくか?」
「頭は至って正常に働いてるからね。薬はいらないよ」
「じゃあ、熱でも出たか?」
「熱もないよ。ただいろいろな洞窟に行っていろいろな人に案内をお願いしたけど、カグラ以上に魔石案内を安心してお願いできる人がいないなあって」
「……」
「カグラ?」
私の顔を見たままビクともしないカグラ。どうしたと言うんだ。
「おーい、カグラ。なん……ってどうしたの!?」
突然カグラの顔がぶわっと真っ赤になっていた。それに気づいた私はもちろん慌てる。慌てるけど体勢はそのまま。下手に動くと薬が落ちて掃除が大変になってしまうから。
「大丈夫? 疲れが出たのかな」
「大丈夫だから心配しなくていいっ!」
片手で顔を隠して怒ったように声を発するカグラ。
「そんなに顔が赤くなってなんもないことはないでしょ! 体調が悪いなら……」
「だああああっ!」
「っ……!」
「ホント、なんもねぇから心配すんな」
「あ、うん」
び、びっくりした。だって突然叫ぶから。うん、まあ、叫ぶだけの体力があるならきっと言葉通り体調は悪くないんだろう。とりあえず、これ以上はしつこく聞くまい。




