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声にならない、それくらい酷い光景が広がっていた。
「リラ……」
カグラは隣にいるのに声が遠くから聞こえる。
ああ、そっか。私の意識が少し遠くに行ってるからか。
「大丈夫か?」
「うん。私は……」
でも、クリスタルたちは大丈夫じゃない。
無理矢理に焔を奪われそうになったクリスタルたちは、焔と共に滅びを選んでしまう。
それを選んでしまったクリスタルたちは、次々と光の砂となって消えてゆく。
「……」
その光が止むことはない。このままだとクリスタルがこの洞窟から消えてしまう。
ここはクリスタルたちの家なのに……。
「今までで一番酷い状況じゃねぇか?」
「うん」
考えるんだ。どうしたら光の砂にならないかを。
だけど気持ちが焦ってるからか、いい考えが思いつかない。わかってるのに焦る気持ちを落ち着かせることができなくて、さらに焦ってしまう。
『おい、リラ!』
「あいたっ……!」
なんだ突然。誰かに思いっきりスパーンと頭を叩かれたんだけど。
犯人の顔を見ようと振り向いてみたら……見なれた顔があるじゃないか。
「ってなんで私はいきなり叩かれたわけ!?」
『お前がウジウジとくだらねぇこと考えてたから』
『リーさま、クダラの言ってることなんて気にしなくていいわ』
「あ、うん…」
それで、どうして二人は勝手に出てきてるのかな。
そう声にはせず、二人を見つめる。
『ボケッとしてんなよ。早くしないとクリスタルが全てなくなるぞ』
『クダラ、もう少し言いかたがあるでしょう?』
『あー、はいはい』
『リーさまはワタクシたちの主なのよ』
なんだ。なんか突然喧嘩し始めたんだけど。え、これはとめるべきなの。それとも放っておくべき。んー、まあ、とりあえず放ってお……ん、なんかクダラがこっちを向いた気がする。
いや、今向いた。
『リラ、言え。オレたちにどうしてほしいか』
クダラの言葉には、たくさんのあったかさと優しさと力強さがあった。大丈夫だって思えるだけの安心感もある。
「クダラは原因を探して。サーラは原因がわかったあとクリスタルたちの傷を癒してほしい」
『ん、了解』
『わかりましたわ』
うん……だいぶ頭が落ち着いてきた。二人のおかけだな。




