4
真っ暗でなにも見えなかったのが、クリスタルに近づくにつれ明るくなってきて洞窟内が少し見やすくなる。
私はカグラに担がれたまま、きょろきょろと洞窟内を見る。相変わらず綺麗なところだ。
そう思って見ているとある場所で目がとまってしまう。
「ん?」
あれ。あっちの方向、いつにも増してクリスタルの光が強い気がする。
「……なにか」
あったのかな。
そう思って目を凝らして見ていたら、カグラも同じことを思っていたみたいだ。
「今回のは光が強いな」
「うん……どうしたんだろ」
「誰かが踏み荒らしたのか?」
「ごめん。もう少し急いでもらえる?」
「任せろ」
この洞窟には何回か来てるけど、こんなことは一度もなかった。
だからこそ気持ちだけが焦る。
ここは見た目以上に深い洞窟だから案内人がいない限り入るのは危ない。そしてこの洞窟を案内できるのはカグラだけ。
カグラが案内をしたなら、踏み荒らさせれるのを黙って見ているはずがない。でもクリスタルがこんなに強い光を放ってるってことは、誰かがこの洞窟に入ったとしか考えられない。
クリスタルが強い光を放つのには理由がある。
一つは魔石となる焔を守るため。
そしてもう一つは――この世界の異常を察知したとき。
たぶん今回は異常を察知したからじゃないと思う。
「……」
だって、あの日見た光とは違う……。
異常を察知したときの光はもっと色が違う。
まあ、それは私の感じかただから間違ってるかもしれないけど。
どっちにしてもクリスタルが傷ついていることには変わらない。
「リラ」
「なに?」
「ペースさらに上げる。しっかり掴まってろ」
「うん」
カグラに言われた通りにしっかり掴まる。そのときにちゃんとすき間がないよう、走りの邪魔にならいよう注意して。
走る速度が上がったカグラから生まれる風が体にあたる。風の勢いがすごく強くて落ちそうだし、少し苦しい。だけど、絶対に腕と手の力は抜かない。
だってここで落ちたらいろいろと洒落にならない。何よりカグラが私を落とすことはないけど、もしもがあったらカグラが責任を感じてしまう。それは絶対に嫌だ。だから意地でも落ちないぞ、私は。
――リィン。
「……っ」
音が、聴こえた。
壊れる、音が……。




