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あなたに贈るもの


ありがとう。


本当にありがとう。


あなたと出逢えてよかった


私、幸せになります。

 いつにもましてがやがやとお店の中が人で賑わっている。その理由は、結婚式の会場に飾る魔法石の制作をしているから。


 結婚式を挙げるのは私の友人で、その結婚する二人の関係者といろいろ話し合った結果お店の中が賑わっているのだ。


「リラちゃーん!」


「はーい!」


 今は関係者の皆さんと巨大な魔法石の制作をしている。ウェディングケーキならぬ、ウェディング魔法石だ。


 あれ、なんか違う気もするけど気にしない。


「リラちゃん、これはここに嵌めればいいのかな?」


「あ、それは青紫の花びらのところです」


「了解」


「リラさん! ちょっと来てください!」


「はい! 今行きます!」


「リラちゃーん!」


「すみません。ちょっと待っててください!」


 お店の中であちこちから声をかけられ、わたわたと動き回っている私。まだ全体の半分もできていない。


 結婚式は四日後だというのに……うわーん、急いで完成させなきゃ間に合わないよー。


 もう、焦りで膝から崩れ落ちそうだ。ううん。崩れ落ちてる場合じゃない。間に合わせるんだ、私。


「リラ! そうだぞ! 頑張れば間に合う!」


「そうだよね! 頑張れば間に合うよねって読心術使って読まないでよ! びっくりするから!」


「びっくりさせたことについては悪いと思う」


「読んだことも悪いと思ってください」


「すまん?」


「なぜ問いかけ風に謝るんだ」


「なんとなく。それでこれはどこに置けばいいんだ?」


 アトラが指差した先には大きな荷物。ウェディング魔法石に使うためにお願いしていたものだ。


「ユンさーん! すみません! 少しいいですか?」


「はい。大丈夫ですよ。お客様ですか? こんにちは」


「こんにちは」


「この人は私の友人のアトラです。お願いしていた材料が届いたので、ユンさんに準備をお願いしたくて呼びました。アトラ、この人は私のパートナーのユンさん」


「そうだったんですね。はじめまして。リラさんのパートナー、ユン・ファーノです。よろしくお願いします」


「ご丁寧にどうも。俺はアトラ。リラはいいやつだからさ、よろしく頼むよ」


「はい」


 ユンさんとアトラを見ていて思ったことが一つ。なんだか二人とも絵になるなあ。


 じっと見ていたい気もするけど、作業の遅れはまずい。結婚式に間に合わなくなってしまう。


「ユンさん、以前、話していた感じで準備をお願いします」


「わかりました。準備が終わったら声をかけますね」


「はい。お願いします」


「僕はこれで失礼します」


「ああ」


 ユンさんはアトラに会釈して荷物を持って準備を始めてくれる。私はその様子を見ながら、頭の中でウェディング魔法石の全体図を確認しつつ頷く。


 これで最後まで造り上げることができる。あとは時間との勝負。


「あ、そうだ。リラ手を出せ」


「ん? なに?」


「お前に頼まれてたもう一つの物も持ってきた」


 ア手のひらサイズの小さな袋が手のひらにそっと乗せられる。


「ありがとう! 中、確認してもいい?」


「どーぞ」


 袋についていた紐をほどき中を見ると、その中にはきらきらと輝く砂のような粒たちが入っている。


「うん。これこれ」


「その量で足りるか?」


「うん! 足りるよ。本当にありがとう、アトラ」


「どーいたしまして」


 ふふ、これで私があげたいプレゼントが完成する。


「よし、とりあえずはウェディング魔法石を完成させなくちゃね!」


 袋をポケットにしまって、振り向けばもうじき完成するところまできていた。


 わっ、さっきまで半分もできてなかったのに。


 おじさんたちの一生懸命な制作のおかけです。ありがとうございます。


 心の中でおじさんたちを拝む。


「リラちゃん、あと少しで完成だね!」


「はい! あと少し頑張りましょう!」


 みんなと気合いを入れ直して、てきぱきと作業していく。ユンさんにお願いしていた物も準備が終わり、私の工程になる。それが終わったらみんなにもお願いをしてウェディング魔法石を造る。


 なんだか、すごく楽しくてわくわくする。


「リラちゃん、こっちはこれで完成でいいのかな?」


「はい、ばっちりです!!」


「リラちゃん、こっちも終わったよ」


「おおっ! すごく綺麗です!」


 キラキラと七色に輝く魔法石たち。


 みんなのおかげで完成した。完成できないかもしれないと思ってたけど、どうにか完成した。それも予定より早くに。


「これも皆さんのおかげです! ありがとうございます!」


「そうかしら? リラちゃんが一番頑張ってたと思うわよ」


「うん、そうだよ。でも皆さんのおかげって言われると嬉しいな」


「だな。俺たちもありがとう。参加させてくれて」


「っ、本当に手伝ってくれてありがとうございました!」


「いい思い出ができたわ」


「楽しかったよ」


「あの子たちにとってもいい思い出になるといいわね」


「そうだな」


「さ、あとは当日を待つだけだな」


「はい!」


 このウェディング魔法石は、新郎新婦には秘密で制作していたから当日までばれないといいな。

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