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『中に四人の男がいる。一人は優男っぽくて、二人目はその男と向かい合わせに座っている眼鏡をかけた男性。あとの二人は大男で力が強そう』
「四人はなにか話してる?」
『優男と眼鏡はオークションの出品について話している。大男は見張りのようなことをしているんだと思う。二人の会話をじっと見ている』
「なるほど。ありがとうね。それからごめん。どこかに私の魔法石はない?」
『待っていて。見てくる』
通信が切れると、両隣にいたソロとコソが大きく息を吐く。
「どきどきするな! リラ殿!」
「リラ殿! すごく緊張するぞ!」
二人はテンション高めに私に言ってくる。
「自分たちが入るときは緊張しないが他の者が入ると、どきどきはらはらしてしまうな! 何事もなく帰ってきてくれることを願うぞ!」
「そうだな! 無事に帰ってきてくれるといいが」
二人の言葉に、この人たちは怪盗より商人の方が向いているんじゃないかなと思った。優しくて、綺麗な物が好き。性格は気づきにくいかもしれないが、しっかりとしているし。
「……」
この二人のしていることは世間では悪いことで。いつか捕まってしまうかもしれないというのが、すごくもったいないというか……残念で。知れば知るほどこの二人はいい人だからなんとも言えない気持ちになる。
二人が私に怪盗にならないかと誘ってくれるなら、私は二人に商人にならないかと言いたい。
「リラ殿?」
「どうしたのだ? 難しい顔をしていたが」
「リラ殿! 大丈夫だそ! 必ず五色星魔法石は取り戻せる!」
「俺たちも全力で力を貸すから大丈夫だ!」
「だから安心してくれ!」
「うん。ありがとう」
あー、もう。本当に怪盗にしておくにはもったいない。この件が片付いたら、一度話してみよう。
そう私は心の中で強く思った。




