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「この紙に書かれている場所はあそこの赤い屋根の家だね」
ソロとコソは私が持っている紙を覗いて大きく頷いた。
「そのようだな! リラ殿!」
「それでどうする? このまま真正面から行くか?」
「真正面でもいいけど、少し中の様子を確認してから決めよう」
私がそう言うと、二人は「そうだな! さすがリラ殿だ!」と言いながら私の背中をばしっと叩いて頷いた。
い、痛い。なぜ背中を叩く。
痛みで涙が浮かぶ目で二人を見ると、悪気のない本当にいい笑顔で「リラ殿、どうしたのだ?」なんて言われるものだから、まあいいやという気持ちになった。
「それで中の様子をどうやって確認するのだ?」
「魔法でね」
「そんな便利な魔法があるのか?」
「リラ殿は怪盗向きだな!」
「魔法石職人兼怪盗というのはどうだろうか!」
私は二人のその言葉を聞いて苦笑しながら断った。二人は落ち込んだが次の瞬間には笑って「だよな! それでこそリラ殿だ!」とまた私の背中を叩いた。
和やかな雰囲気に楽しさを感じながら、はたっと自分がこれからしなければならないことを思い出した。
おおっと……話がだいぶ脱線してしまったぞ。
早く中の様子を確認しなければ。
鞄から紙とペンを取り出し、小さな魔方陣を三つ書く。そして呪文を唱えると、小さな光の玉が三つ出てくる。
『何を見てほしいの?』
小さな光は私に問いかけてくる。
「あの屋敷の中の様子を教えてほしいの」
『わかった』
一つだけ光の玉が私たちのところに残って、残り二つの光の玉は屋敷の中へと入っていく。
「リ、リリリリリリラ殿! 今のはなんだ!?」
「今のは私の使い魔の一人だよ」
「一人? 三つの光に見えたが」
「三つの光の内一つが彼女の本体なの。あと二つは簡単に言うと、通信機器みたいな役割をしてくれてるんだよ」
「なるほどな! だからここに一つ残っているのだな!」
「そういうこと」
「すごいな! リラ殿の力は!」
「私はすごくないよ。すごいのはみんな。私は力を借りてるだけだから」
ソロとコソは顔を見合わせ、それから私の頭をわしゃわしゃと撫でた。そして彼らは満面の笑みで私に言った。
「リラ殿はいい子だな!」
そう言ってソロとコソは、また私の頭をわしゃわしゃと撫でた。




