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私は今、人の気配も建物もないところへと来ている。前に来たときと変わっていなければ彼女はここにいる。
……いや、今回は絶対にここにいる。だってここへ来る途中から感じている獣の気配。それが左に動き、一鳴きした。
「さて、許可が出たし中へ入りますか」
私は目の前に現れた穴から中へ入り、彼女のいる場所まで歩みを進める。そして数分歩くと、目の前に赤の扉と青の扉が見えてくる。
ここが彼女に会うための問題だ。この扉は一見普通だけど、間違えば異空間へと送られ帰ってこられなくなる。だがしかし私は迷うことなく、両方の扉の間をすり抜ける。
実は、赤い扉と青い扉の両方が異空間行きの扉なのだ。だからどちらかを選んだ人は異空間へと行ってしまう。
「久しぶりだねえ、リラ」
のんびりとした話し方をするローブを着た女性、クラリス・ホワイトは柔らかな笑みを浮かべ私を出迎えてくれた。
「久しぶり、クラリス。元気だった?」
「元気だったよ。君はいろいろあったみたいだねえ」
「あー、うん。やっぱり知ってるよね」
彼女は仕事上、人に関する情報を多く知っている。現在のことから昔のことまで。だから私がここにくることを彼女は知っていた。
その彼女は『世界の眼』という名で知られ、悪事を働こうとしている人たちから特に狙われている。
「さて、君が探している人物はここにいるよ」
差し出された紙を受け取り、書かれた場所を見る。
……ミスラ、か。ここからなら近いな。
だけどソロとコソには、お願いしたらすぐに合流するからって言ったし私だけで行くわけにはいかないよね。
「……」
それに私はこの怪盗団について知らない。だからソロとコソがいてくれたほうが安心だ。
「リラ。あまり無理をしないようにねえ。君がいなくなると寂しくなるからさあ」
「……うん。心配してくれてありがと」
「ふふっ。君はわたしの大切な友人だからねえ」
「ありがと。私もクラリスのこと大切な友人だと思ってるからね。クラリスも体調とか、あとはいろいろと気をつけてね」
「もちろん。それじゃあ気をつけてねえ」
「うん。本当にありがとう。今度はゆっくり話にくるね! お菓子とお茶を持って!」
「うん、待ってるよー」
私はクラリスに笑顔で手を振り洞窟から出た。
まずはソロとコソに合流する。そして次に怪盗団の情報を集めなきゃ。




