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龍神の花嫁 八俣遠呂智編(ヤマタノオロチ)  作者: 霜月 如(リハビリ中)
1章 夏休み クローンオロチ
21/328

20 瑞樹神社は大入りで

気絶した、小鳥遊(たかなし)(みどり)先輩の兄……(くし)で、女体化しているから姉になるのかな?


その現在姉? の(たける)さんを背負うとして、自分が全裸なのに気が付いた



全てを呑み込み融かす『漆黒(しっこく)』の弊害で、巫女装束が融けてしまったからだ。



マズイ……全裸(これ)で山を降りたら、痴女として逮捕されてしまう


新聞の見出しに、『戸隠(とがくれ)山中で発見!! 裸の尻尾女!?』とか書かれたりして……そんな事になったら、2学期から恥ずかしくて、学園行けないし



「あの……僕は此処(ここ)から直接龍脈で帰りますけど……」


一応、皆さんに声をかけると


「私も帰るわ。兄の無事が分かったし」


いやいやいや、無事じゃなくしたの、先輩の作った()()()ですけどね


姉様が帰るなら、私も帰りますと小百合(さゆり)ちゃん


少しは、尊さんの心配をしてやって……



「妾は(たけ)に話があって来たのじゃ」


「ならば、瑞樹神社で(うかが)おう」


「ほっほっほ、儂も一緒に行くぞ」


どうやら、神様3柱共々、一緒にウチへ来るらしい


別に良いけど、また騒がし……もとい、賑やかに成りそうだ



僕は龍脈を開き、尊さんを背負うのに屈むと、胸元から何かが落ちた


「瑞樹先輩、何か落ちましたよ……勾玉(まがたま)?」


「あー、吊るしてた紐が融けちゃって、胸元から落ちちゃったか……小百合ちゃん、悪いけど持ってて貰える?」


「良いですけど、7色に光って綺麗な勾玉(まがたま)ですね」


「製法はよく分からないけど、龍の鱗で出来てるらしいよ。前回の漆黒でも融け無かったから、相当頑丈だよね」



小百合ちゃんは、勾玉を日の光に(かざ)しながら、色が変わるのを楽しんでいる


前回、たまたま僕の胸の谷間に挟まっていたので、漆黒の闇に呑まれ無かったと思ったのだが


2度目とも成と、僕と同じく術反射でも、編まれてるのだろうか? と思ってしまう


毎回勾玉(あれ)だけは、不思議と無事なんだよね




僕らは龍脈を通り抜け、ウチの裏手へ移動する



「なんじゃ、境内では無いのか?」


「まだ明るいですからね、裸見られて痴女認定されるのも嫌ですし」


九頭龍山で、結界の入り口を見付けるのに、時間を食われたとはいえ


夏は日が長く、夕方でも明るいからね


まだ参拝者が居る可能性も考えて、裏手へ出たのだ。



「ならば仕方がないのう」


淤加美様は、そう言いながら建御雷様と九頭龍様を連れて、ウチへ飛んでいく


飛ぶのは良いけど、人間に見付からない様にしてくださいよ……せっかく裏手へ出たのに、騒ぎに成ったら元も子もありませんから



「先輩と小百合ちゃんも、夕御飯食べて行きなよ。尊さん当分目覚めそうにないし」


一応、龍神湖から流れて来る滝壺の水を使い、浄化の水を振り掛けて置いたが


食中毒? に、どれだけ効果があるか分からないし、そもそも毒なのかも謎である



「兄の着替えだけ置いて、帰ろうかと思ったけど、千尋ちゃんがそう言うなら……」


「姉様が残るなら、私も残ります!」


小百合ちゃんは、本当に先輩にべったりだな


まあ、仲がよいのは良いんだけどね



僕は、尊さんを背負い直すと、人が居ないか確認しながら、裏から境内へ出ていく


何だか……露出狂にでも成った気分だが、念のため僕にはそう言う趣味はない



拝殿を横切り、玄関まで十数メートルのところで━━━━━━


「うおおお! 助けてくれ~い」


「絶対わざと遣りましたね!」


神使(しんし)桔梗(ききょう)さんに追われる、元龍神セイと遭遇した


桔梗(ききょう)さんが、手だけ大きな蟹の(ハサミ)にして、セイへ迫る


「あっぶね! わざとじゃないって」


「いいえ、わざとです」


何があったか聞こうとしたのだが、桔梗(ききょう)さんの顔に張り付いた、スイカの種で察しがついた



「セイ……ちゃんと謝って置けよ」


そう一言だけ残すと、玄関へ向かって歩き始める。兎に角、僕は早く服が着たい



「おい! 千尋! 旦那を見捨てる気か? 種が変な所に入って()せただけなんだ。それに、吐き出さなければスイカが生えるだろ」


人体……いや、龍体からスイカは生えねーよ


「わざわざ此方(こちら)を向いて()せなくても良いでしょう? 手で押さえるとか」

桔梗さんの鋏が鋭く光る


「事故だって、塩取ってくれって言おうとした時に、()せたんだもの」

そう言いながら(ハサミ)を掴んで止めるセイ


はぁ……帰って来ればこの騒ぎ……


これで神様達が酒盛りを始めたら━━━━━━



「今日、先輩の家に泊めて貰おうかな……」


「え? ウチ来る? 別に良いけど……心の準備が……あっ、御布団(おふとん)は1つで良いよね」


御実家お寺なのに……この人の処も駄目だわ。煩悩まみれじゃないか


「ズルいですよ姉様! 私も一緒させてください」


小百合ちゃん……貴女もですか? 少しは真面(まとも)な人居ないの?



━━━━━━結局自室に籠るのが、一番安全な気がするわ


僕は客間に(たける)さんを寝かせると、直ぐに巫女装束へ着替える


やっと露出狂から尻尾巫女へ、クラスチェンジ出来たよ


今度、漆黒を使いそうな時は、着替えも持って行かないと駄目だな


そう教訓を刻み込み、台所へ向かう



取り敢えず、冷蔵庫を物色しながら、何か酒の(さかな)になりそうなモノを……


自分が未成年で呑めないので、正直どんなモノが酒の(さかな)に成るのやら、良く分からないけど


まあ、日本の古神様なんだし、和風で作って置けば問題ないよね


献立を組み立てていると━━━━━━



「ねえ、千尋ちゃん。兄を着替えさせようと思ったら、女体化してるんだけど……」


あ~、櫛名田比売(くしなだひめ)(くし)が差さったままか


トランクス穿かせて良いのかな? と、困って聞いて来る小鳥遊先輩


「髪に差さった(くし)で、女体化しているだけみたいなので、(くし)を抜けば男に戻る筈ですよ」


僕と居るときは、だいたい戦闘時なので、男に戻る瞬間は見たこと無いけどね



半分当てずっぽうに、『(くし)を抜けば良い』と言ってみた━━━━━━が


良く考えたら、(くし)の生命力ブースト無いと、危険な状態に(おちい)るかも知れない



「先輩待った! (くし)は外さない……方が……」


慌てて、(たける)さんを寝かせている客間へ飛び込むと、先輩と小百合ちゃんが、(くし)は抜かずに服を脱がせてる処だった。


「大丈夫よ。(いく)従姉妹(いとこ)とはいえ、兄の裸を小百合に見せられないもの」


「私も見たくありません」


お湯で濡らしたタオルで、(たける)さんの身体を拭きながらそう言う二人


「あ、えっと……必要なモノがあったら言ってね」


僕は目線を反らしてそう言うと


「何? 千尋ちゃん照れてるの? 女の子になって4ヶ月も経つのに~」


先輩が、意地悪そうに、ニヤニヤして言ってくる


「自分のは慣れましたけど、他人の裸はまだ抵抗が…………と、兎に角。僕は台所へ戻りますからね」


そう言って退出し、逃げるように台所へ戻る



先輩は分かって無いかもだけど、(たける)さんは兄妹だけあって、女体化の顔が先輩そっくりなんだもの。先輩の裸を見ているようで恥ずかしいんですよ


先輩は、自分がどれだけ美人なのか、ちゃんと知って欲しいわ


水道をひねり、水を一杯飲んで気を落ち着かせると 酒の肴作りに戻った



ここの処、ご近所の農家さんに、大量の茄子を頂いたので、正直4人では処理に困って居たところだ


いい機会だし、神様達に御賞味いただこう



先に茄子を漬けて置いたモノを出し、それを食べて貰っている間に、次の茄子料理に掛かる



適当な大きさに切った茄子を油で炒め、出汁を投入し酒みりん醤油と砂糖で味を調えて……焦げないよう弱火にして煮込んだ茄子に、お味噌を加えて、ひと煮立ちしたら火を止めて、胡麻を振り掛けて……


茄子の味噌煮の完成



更にもう1品、今度は甘くないのを━━━━━━


茄子を縦に包丁を入れ、2つにした茄子の背に、火が中まで通りやすいよう切り込みをいれる


そのまま軽く油で炒め、茄子の身にキツネ色が着き始めたら、出汁を張り細切りにした生姜を入れ酒と醤油とみりんで味を調えて


茄子の生姜煮の完成


あとは、茄子で天ぷらかな


「今日は茄子尽くしですね」


手伝いますと小百合ちゃんが言ってくれた


「あれ? 先輩は?」


「姉様は……台所に立たれると……」


あぁ……確かに、尊さんの二の舞には、なりたく無いわな


なので姉様には、外で睨み合ってる、桔梗さんと元龍神様の仲裁へ、行って貰いました。と言う小百合ちゃん


さすが、姉の扱い方を心得ていらっしゃる



しかし、桔梗さんとセイ……あの二人……まだ境内で睨み合ってたのか……


蚊に刺されて酷いことになる前に、和解して戻って来れば良いのに



そんな事を思いながら小麦粉を溶いていると━━━━━━



「酷い目にあった……」


そう言って現れるセイの頭が、アフロになっていた


「セイ……お前、その頭どうしたんだよ」


元々、龍の角付きな処へ、アフロヘアって……何処かの雷様みたいだ


「いきなり払い屋の娘に、帝釈天(たいしゃくてん)の雷撃を貰ってな。蟹鋏(カニバサミ)を掴んでたんで避けられんかったわ」


「え? じゃあ桔梗さんも?」


「うむ。今頃、脱衣場のドライヤーを使って、髪を解かしておる」


問答無用の雷撃とは、さすが小鳥遊先輩。容赦無いわ━━━━━━



茄子に衣を着けていると、セイが盛り付けた皿に手を伸ばす


「ほら、意地汚い事しない。ちゃんと味見用の小皿に(よそ)ってあげるから」


そう言って味噌煮の茄子を小皿にのせて渡すと、さっそく口に放り込み咀嚼(そしゃく)する


「ふむ、良い味ではないか」


「じゃあ、こっちも試してみて」


生姜煮の茄子を小皿に載せてやると、そちらも直ぐに平らげて


「なんか米の飯が欲しいな。飯をくれ」


「お前な……味見で、本気食いしようとするなよ」


「瑞樹先輩、茄子揚がりましたよ」


黙々と茄子を揚げてた小百合ちゃんが、油切りの上に揚がった茄子を置く


僕は、揚茄子(それ)をセイの小皿に載せてやると、セイは熱冷ましもせずに、自分の口へ放り込む


「ちなみに、揚げたてだから、熱いぞって聞いてねーし」


僕の言葉も聞かずに水道へ走り、水をがぶ飲みしている


自分で水出した方が早いのに━━━━━━



「熱いって言うのが遅いわ!!」


少しタラコ唇になってるセイが、復活して文句を言ってくる


「目の前で、茄子の天ぷらが揚がったばかりなのを、一緒に見てただろ。だいたい、角アフロでタラコ唇とか、色々盛りすぎだろ」


「好きで盛ってねーわ! 昭和のコントか!」


「アニメ好きのお前の事だから、雷型宇宙人か! って言うと思ったのに……」


「はっ! そっちが在ったちゃね」


「残念でした。僕は生まれてませんから、ネタは知りません~」


「ぐぬぬ……釈然としない、絶対知ってるだろ!?」


「良いからほら、出来上がった皿を運ぶ」



タラコ角アフロの元龍神に皿を持たせて、居間へ運ぶように言うと、何で俺が……とブツブツ文句を垂れながらも、運んでいく


せっかく天ぷらの用意をしたし、茄子ばかりじゃ飽きるので、かき揚げを作り、後チクワも衣をつけて揚げる


所謂(いわゆる)、『ホルモン揚げ』と言う奴だ


チクワなのにホルモンとか……良く分からんが。2つ隣の町にて、テレビが取り上げたとかで、最近はスーパーのお惣菜(そうざい)売り場にも置いている


後は、淤加美(おかみ)様が喜びそうな、芋を揚げて出来上がりだ


残りのオカズと御飯を持って居間へ向かうと、未だ(かつ)てない程の人数で、ごった返していた


「うぁ、座る処あるかな……」



僕が途方に暮れていると、見知った顔が座って居る━━━━━━



「千尋、お邪魔してるわよ」


香住(かすみ)? 今部活帰り? 衣装部も大変だね」


「家庭科部よ!! 前に言ったでしょ! 顧問の先生が居ないと、コンロの火が使えないので、縫い物専門に成るって」


「成る程、顧問先生も夏休みか……」


「家族サービスで、阿寒湖だそうよ。ほら、顧問の先生から部員宛に、写メ着たんだけど……まりもの写真」


スマホの画面に、緑色の丸い球が写っている


結局、まりもって何なんだろう……自然に大きくなるって言うし、不思議な物体だ



「おお、北の大地へ御旅行か、良いねぇ」


「後はね、木彫りの熊!」


「定番だね……ぇえええ? ちょっ! 熊が鮭咥えてないじゃん! 鮭が熊に噛みついてるし! 写メの題名が、食物連鎖の逆襲になってるし!」


凄い木彫りの熊見付けるな……顧問の先生、(あなど)りがたし



「それにしても、今日は大入りね」


「まあ色々あって……食べてくでしょ? 茄子が一杯あるんで、消費にご協力を!」



仕方ないわね、と言う香住だが━━━━━━



問題は居間の人数の許容オーバーだ


テーブルは、追加の簡易テーブルを出して来れば良いが、座る場所はそう上手く行かない



「これはあれだな……変形しかない」


「何!? この社がロボに成るとか、初耳だぞ!?」


ならねーよ! と空に成った御盆で、セイの頭を叩く


角が刺さって御盆に穴が開いたし、今度ツッコミ用ハリセンでも用意して置こう。



ここ瑞樹神社は、僕が生まれるより昔。この周辺集落の寄り合い処に成っていたらしく、間仕切りを外すと沢山の人を収容出来る様になっている。


今は公会堂が出来たため、ウチは滅多に使われないけどね


その間仕切りを外し、居間を臨時に拡張変形させる事で、どうにか全員収まる事ができた



古神組3柱、人間組4人、僕を含めたその他3人? 龍は匹で良いとして蟹は? 杯?


ええい面倒臭い! 人の形してるし、その他3人で良いわ


しかし、10人か……また凄い人数だな


僕は()えて桔梗さんとセイの間に座る。何故なら、この二人を並んで座らせると、絶対喧嘩になるからだ



だが、僕の予想外の処で━━━━━━


「あら、高月さん。何時も牛乳飲んでいる割りに、育たないのね……」

胸に視線を向けながら、挑発的に絡む小鳥遊先輩


「いえ~、先輩は()()にお肉がついて、羨ましいですわ」

視線をお腹へ向けながら、『無駄』を強調して反撃する香住


くっ、不穏の出所を読み間違えたか!?


婆ちゃん、小百合ちゃん、近くに居るなら、香住と先輩を止めてくれれば良いのに、我関せずを貫いて、ご飯を食べている


まぁ喧嘩と言っても口喧嘩なので、暴れないだけマシではあるが……


後日、香住の八つ当たりが怖い……



「お? この揚芋……」


淤加美(おかみ)様、気が付きましたか? 芋を揚げた後に、溶かしバターを掛けたんです」


お陰で、カロリーの化け物だけどね



「淤加美、1つくれてみよ」


手を伸ばす建御雷(たけみかづち)様だが、これは妾のモノじゃ! と皿を独り占めにする淤加美(おかみ)


美味しいの見れば分かるが、大人気無いなぁ


淤加美(おかみ)様が、建御雷(たけみかづち)様に気を取られてる隙に、逆となりに座った九頭龍(くずりゅう)様が、どれどれ……と脇から手を伸ばし、ひょいっと摘まんで口へ放り込む


「あああぁ! 妾の揚芋が!」


今度は隙をついて、建御雷(たけみかづち)様が脇から芋をかっ(さら)


「うむ。なかなか美味いではないか」


「御主等~、妾の揚芋を……」


嫌な予感━━━━━━


「ストーップ!! 追加揚げて来ますから、技も術も無しですよ」


「ぐぬぬ……千尋に免じて、大人しくしよう」



危なかった。淤加美(おかみ)様との付き合いも長いので、キレる前兆がよく分かる


何せ、僕の身体の同居人……もとい、同居神だしね


空いたお皿を持って、追加の揚芋を作りに、台所へ向かうと━━━━━━


外から、バタバタと凄い音がする


ヘリコプター? 近くの相馬原に、自衛隊の駐屯地が在るので、ヘリコプターは珍しく無いが、音から察するに、だいぶ低空飛行しているようだ


もしかして、参頭目のオロチを回収した時の様に、西園寺さんがヘリで飛んで来てたり?


一応確認の為、外へ出て見ると、狼の荒神ハロちゃんが寄って来て


『千尋殿、どうもあの飛んでる物体は、動きがおかしいぞ』


先程持って来たホルモン揚げのソースで、口の回りが真っ黒なハロちゃんが言う


もう暗くなっているので、『龍眼』を使って暗視を行うと、確かにヘリの機体が左右に振れて、飛行が安定していない


それどころか、機体から煙が出ているようだ


墜ちる!? そう思った途端、機体の回りに風の塊が包み込む


淤加美(おかみ)様?』

姿が見えないので、念話を飛ばすと


『揚芋が、なかなか来ないのでの。御主の身体へ感覚をリンク(繋げ)させたら、また厄介事に関わりおって……』


『そうは言いますが、あのヘリの飛行ルートが、神社(ウチ)への激突コースなんですよ』


『だったら、神社(ウチ)へ当たる前に、撃ち落として仕舞うかえ?』


『駄目ですって、人が乗ってますし』


暗闇は暗視できても、煙までは見透せないので、中の人の顔は分からない。


でも、もしかしたら……西園寺さんかもしれないし


違うとしても、人間が乗ってる以上、墜落なんて見たくないもの



僕は淤加美様に、ヘリを無事に降ろすよう、お願いした。揚芋2倍の報酬でね



『良かろう! 但し、妾に身体を貸すのじゃ、あのバタバタ五月蝿い羽のせいで、気流が乱されての。思念体のままじゃと、精密な操作ができぬ』


僕は、言われるままに、淤加美(おかみ)様へ身体の主導権を渡した。



さて……無事にヘリを降ろす事が出来るか……



全ては、淤加美(おかみ)様の手腕に掛かっていた。




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