精霊たち
謎の女性たち(笑)登場!
この話までが導入部です。
次話より本編スタートになる予定です。
「あー・・・まずは自己紹介からか?あたしの名は赤!そっちの青いのが青!その横の白いのが白!その
隣の黒いのが黒!緑のやつが緑!端っこの茶色いのが茶だ!それじゃキリキリお前の話しをしな!」
かなりアバウトな説明でした・・・
名前が色って、ネーミングセンスって何だろう?僕だってもう少しましな名前をつけられるはず・・・
「それでそれで、あなたは何処から来たのかしら?」
「あらあらあらあら、そんなに問い詰めたら可哀そうよ?」
「でも・・・とっても珍しい・・・気になる・・・」
「あなた、自分がどれだけ珍しい存在か自覚があるのかしら?」
「そうね~・・・魂だけで箱庭に迷い込むなんて気になるわ~普通はすぐ消えちゃうのよ~」
呆然としていた僕を待っていたのは尋問?タイムでした・・・
え・・・っと魂?ウィルオーウィスプじゃない?箱庭?もう、何が何だかわからないよ!?
「パニックってるみたいだからアタシたちが現状教えてやるよ!」
「そうねそうね、それが一番かしらね♪あなたは魂だけの存在だってことは理解しているかしら?そのま
まだとすぐに消えちゃうはずなんだけど・・・変ね?」
「この世界で生まれた魂は輪廻の輪に行くことになっているのだけど・・・どうなってるのかしら?」
「箱庭に迷い込んだのも・・・気になる・・・普通の魂・・・箱庭は入れない・・・」
「魂の色も私たちの知っている色と違う気がします。あなたは何者ですか?」
「お話聞かせて~聞かせて~早く~」
現状・・・現状・・・
「え~っとですね・・・僕は・・・」
車に挽かれて気がついたら異世界に来たこと、体も無くいきなり魂状態でふよふよ浮いていたこと、自分
に起こったことを包み隠さず説明した。
「はぁ・・・異世界かよ!おい白、異世界の魂ってのはホイホイ箱庭に入れるもんなのか?」
「もちろんそんなこと出来ないはずよ♪何かの加護持ちかしら?調べてみたいわ♪」
「あらあら、それよりも彼?の魂が消えちゃう前に輪廻の輪に戻してあげなくていいのかしら?」
「うん・・・急いだ方が・・いい・・・魂は一番安定していない状態・・・すぐ・・消えちゃう・・・」
「魂を輪廻の輪に帰すくらいなら私たちが力を貸せば何とかなるでしょ?」
「そうね~そうね~」
「本当ですか!?是非、お願いします!!」
魂のままじゃ不安だし、早く体が欲しいです!(切実)
「おい、お前らちょ~っと集合!!」
赤さんが他の精霊さんたちを集めて何やら密談を開始・・・
不安だ・・・僕ってどうなっちゃうんだろう・・・
「あの魂段々と透けてきているから、早く対応しないと危ないわよ?」
「いいからあたしの話を聞けよ!あいつの魂を輪廻の輪に送る代わりにあたしたちの名付けをしてもら
うってのはどうだ!?」
「「「「「その手があったわ!!!」」」」」」(切実)
「この名前からやっと変われるのね私たち・・・」
「あらあらあらあら、どんな可愛い名前になるかしら!期待してしまうわ♪」
「楽しみ・・・楽しみ・・・」
「楽しみだけどあまり時間も無いわ、急ぎましょう!」
「りょう~か~い~♪」
こちらをチラチラ見ながら盛り上がってる精霊さんたちを横目に不安が増大中の僕・・・
早く何とかしてください!!
「おう、待たせたな!!お前をあたしたちの力で輪廻の輪に送ってやることになった!ただし、それには
お前の協力が必要なんだが・・・どうする?」
「「「「「うんうん!!」」」」」
力強く肯く精霊さんたち・・・
不安感でいっぱいの僕の選択肢は一つしかありません・・・
「僕に出来ることなら何でもします!お願いします!」
僕の心境は藁にもすがる思いです!
「それで僕が協力することって何ですか?」
「あぁ・・・それなんだがよぅ・・・あたしたちって変な名前だろ、だからあんたに新しい名前を付けて
欲しいんだわ!頼めるか?」
ポリポリと頭をかきながら頼んできた・・・
え・・・名前・・・それだけで僕は助かる!?
「そんなことでいいんですか?わかりました、名前付けやらせてもらいます!」
「「「「「「やったー♪」」」」」」
両手を挙げて大喜びの精霊さんたち。
よっぽど名前が気に入っていなかったんですね・・・
名前・・・名前かぁ・・・ネーミングセンスが問われる問題です・・・
そうだ!宝石から名付けよう!
「じゃあ、赤さんはルビー、青さんはアクアマリン、白さんがダイヤ、黒さんがオニキス、緑さ
んがエメラルド、茶さんがサードニクスさんでどうでしょう?」
脈絡もなく閃きで名付けする僕。
気に入ってもらえたのだろうか・・・
「集合!意義がある奴は申告しろ!これがラストチャンスだ!!」
「「「「「異議無し!」」」」」
どうやら受け入れてもらえたみたいです・・・
「名前~新しい名前~♪」
「やっと・・・やっと・・・」
「長かったわ~」
歌いながら走り出す精霊さん・・・
「よ~しよし、今日からあたしはルビーだな!それじゃあお前、名付けの礼に希望を聞いてやるよ!
あたしたちが輪廻の輪に干渉すれば多少のことなら転生先を融通出来るはずだ。どうする?それとも運任
せのランダムにするか?」
転生先を選べる!?それは断る理由がありません!是非、お願いしましょう!!
「僕、生前は一人っ子だったので上に兄弟がいる家で、そこそこ裕福な家でお願いします。」
右も左も解らない異世界でいきなり貧乏生活は厳しいので切実に訴えてみた僕・・・
転生していきなり死亡は嫌です!!(切実)
「お前、欲が無ぇな。そんなんでいいのか?ちょっ~と待ってろ、手ごろな奴探すからよ!おい、お前ら
もこっち来て手伝えよ!名前貰っただろ!!」
「「「「「は~い」」」」」
ダッシュでルビーさんの側に走って集まる精霊さんたち。
「こっちはどう?物件的にはいいわよ?」
「ばっか、そこは魔族の進行があってやばい奴だろ!他にしろ他に!」
「じゃあじゃあこっちはどうかしら?」
「そいつって確か汚職がばれて家がやばい奴じゃないかしら?」
「こっち・・・こっちがオススメ・・・」
何だか、魔族とか汚職とか聞こえちゃいけないワードが飛び出してるんですが・・・
本当に無事に?転生出来るんでしょうか僕・・・
しばらくして・・・
「よし、待たせたな!お前のために良い物件が見つかった!それじゃあ覚悟はいいか?」
「はい!お願いします!」
覚悟を決める僕・・・
「全員配置についたか?」
「「「「「OK!!」」」」」
僕を取り囲むように配置につく精霊さんたち。
「それじゃ元気でね~」
「前世の記憶は5歳になったら戻るようにしておく。」
「また・・・会いましょ・・・」
「おらぁ!やるぞお前ら!」
「「「「「「OK!」」」」」
6色の光の柱が立ち上がり、光の螺旋となって僕を包み塗り替えていく・・・
「無事の転生祈ってるぜ!またな!」
「ありがとうございました!」
輪廻の輪へと消えていく僕。
これで一件落着♪
「「「「「「あ!?」」」」」」
呆然とした顔で硬直する6人の精霊さんたち・・・
ちょっと・・・今になって何!?
「あ!?」ってなんなんだぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!
リアルで色々あり、更新遅れが続いて申し訳ございません。
(また人が辞めたり、インフルエンザで寝込んだり、右足の踵の骨が磨耗して激痛が走ったり)
更新の方は出来る限りやっていきます。