げっこ
むかし むかし
天と地の狭間
一匹の白げっこが棲んでいました
小さな白げっこには無謀なほど大きな夢がありました
それは
一口だけでいいので食べてみたい・・・
ミミズでもあれほど美味しいのだから
大きくて太いヘビのシッポならほっぺが落ちるほどではなかろうか・・・
悩める白げっこに、おかあさんが言いました
「どうしたの?・・・なにを悩んでいるか話してくれないのね。
だけどね、いいこと。これだけは忘れないで」
げっこのおかあさんは、愛しげにげっこを見つめながら続けました。
「願いはね、叶えるものよ。一生懸命やってれば無理なんてことはないの」
大好きなおかあさんの
優しくて、でも少々無責任な言葉に
すっかり嬉しくなってしまった白げっこは、大きな大きなヘビに自ら近づいてゆき−−−。