誘い
綾野は此の學校に呪いが有るのなら指定ではなくランダムで起こっているのだと推測仮定する。今はそんなのはどうでもよい。それより旧校舎に何故霊魂が溜まっているのか?何故霊魂を式神として使うのか?其処には何か事件が起こったからでは無いかと仮定する。其を探るべく、とある人を使う。其の人は怪奇探偵も親密な関係でもあり共有し合う仲である。その人が働いている場所は文明館という出版社で彼女はカルト編集記者を務めている橋本弥生という女性である。彼女も奇遇に本を出版するべく呪いを題材にしたブツを出すらしい。橋本は論理的視点と本質的視点の二つの観点を見て取材をする優れものだ。
綾野曰く言葉というものは表裏一体だ…呪漢字は音訓の読みで意味が違う。先ず訓は“のろい”時代は平安時代、五月姫という呪殺師が原点とされる。だが現代は自己暗示が呪いの現況じゃないかと云われている…。音の読みは“シュ”と云われている。此は陰陽術に使われる口頭戦術。綾野が憑き物落としに使用する口説きなのだ。
彼女に榊原高等學校を取材を指せようと誘いを掛けた。此が彼の副職に中る憑き物落としで有る。 彼の憑き物は“謎”で有り“過去”である其を落とすのが彼の仕事である。
「行くぞ…。」
綾野が唐突に云うので橋本は戸惑う。
「何処に?」
綾野がにこやかに笑いながらこう云った。
「其の學校で縊鬼に会うのだよ。」
唐突に云うから戸惑う。橋本は頭にハテナを沸きながら首を傾げてこう聞いた…。
「えっ。其れって私もですか?」
すると綾野はきょとんとしながら…。
「当たり前だろ…。」
橋本は赤面の顔で戸惑う。其はそうだ粋なり美形美女に向かって「夫婦に為ろう。」と云ってるのと一緒だからだ。
「どうだい…。デェイトでも…。」
綾野は橋本に呪を使い口説きながら誘った。