眼鏡の下の本当の自分(200文字小説)
鏡を見ながら溜め息をつく。
「もっと美人に生まれたかったな…」
眼鏡を外す。
途端に自分の顔がぼやけた。
身体検査の視力測定。
いちばん憂鬱な瞬間。
両目とも0.1以下。
眼鏡が無ければ何も見えない。
検査の後、保健委員の男子生徒に声を掛けられた。
「あの…。付き合っている人居ますか?」
バカにされている!
そう思った。
「僕と付き合ってください」
「えっ?」
彼は私の眼鏡を外して言った。
「君の様な美人を僕は見たことが無い」