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金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
第五章  外国での冒険
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第八十四話  この世界とトレア

「で? 何が始まるの?」


 エベリナが困ったような顔で聞いてくるが、私だってよくわからない。

 そんなことを考えていると、マリアがカウントダウンを始めた。


「3……2……1……」

「お待たせー!」


 すぅっとどこからともなく女性が現れた。二つの真っ白い翼。長い金髪、真っ白なローブ、頭にはサークレットが。

 あぁ、初めて姿が見れた。すごく綺麗……。


「私がトレア、アストレイアーよ」

「やっぱり、そうだったんだ」

 アストレイアー。トレアってこと、ね……。


「今日はね、みんなに話したいことがあったの」

 ふわりと笑うそのやり方は、女神という言葉がふさわしい。可愛いけれど、どこか神々しさが感じられる。


「私……。ソフィアちゃんとマリアちゃんの元いた星が好きだった。でもね、みんな、自分のために虐殺を始めたから、どうしても、そこにいられなかったの」

 それは、有名な神話だ。それくらいなら、知っている。


「で、実は、天界には、大きな、たくさんのモニターがあってね、パラレルワールドとか、違う時代の地球が一度に見られるようになってるのよ」

 それは……。監視カメラのモニターのようなイメージでいいんだろうか。便利でいいな。


「そしたら、ちょうど、勇者様が魔王様を倒すところを見つけたの。でも、勇者様は、魔王を殺さなかったし、その星は、ちょっと戦争はあったけど、割と平和だった」

 平和……か? だって、こんなに魔物はいるし、うちの国は結構攻められた。


「だから、ソニアちゃんについていこうって思った。彼女も、歓迎してくれたし」

 ソニア……。私の先祖、勇者様……。


「そうやって、たくさんのモニターを見ることで、みんなの危険を回避させてたの。私には、仲間の神だってたくさんいたから、なんとかなった」

 不幸を分けるとか、そういうこと……?


「えぇっと、未来を変える方法。人の幸福と不幸の量は生まれた時から決まっているの。だから、別のところで不幸が起これば、少しは軽くできる。それは、何が起こるかじゃなくて、量だからよ。わかる?」


 つまり……。人の幸福と不幸の量は決まっているから、別のところで不幸を起こしてやれば、起こる不幸を回避できることができる……?


「大体、大まかにだけど、どこでどの大きさの不幸が起きるかはわかる。だから、そのあたりなら、修正が効くの」


 つまり、例えば猶予が一ヶ月なら、一ヶ月の間に別の不幸をその文起こせば回避できるってことか。


「あ、そうそう。幸福も同じなの。だから、私、魔法を妨害したり、転ばせたりみたいな、ちょっと心の痛むようなこともしてきた。じゃないと、もっと大きなことになっちゃうから」

 ああ、その程度なら、ほかの神に頼む必要はないのか。なるほどね……。


「シナモンの時は、ごめんなさい。大きすぎる不幸は、うまくいかないのよ」

「じゃあ……。どうりで不幸が集中するときがあると思えば」

「死んだりするようなことは、防がないといけないから。絶対に、ね」

 そ、そんなに死ぬようなことあるのか? やだな……。もうとっくに死んでたのかもしれない。


「まあ、よかったよ。教えてくれて。私たちの前に姿を現してくれて、ありがとう」

「マリアちゃん……。なんか、ごめんね。私、一応言っておかなきゃって思って」


 思ってたより、大変なんだな、神様って。トレアも、私のためにいつも尽くしてくれたし……。お礼、言わないとだよね。


「あ、トレア……。その、えぇと……。ああっ!」

 滅多にきちんとお礼なんて言わないから、なんだか言えない!


「全く……。ソフィ、ちょっと落ち着いて」

「うっ……。えと、あ、ありがとう……」

「ん……? え、あ! ソフィアちゃん可愛い!」

 これだからトレアは……。あまり得意ではないタイプだ。よくわからない。


「にしても、随分盛大に変えたな。大丈夫なのか?」

「えっ……。もしかしたら、まずいかも。でも、なんとかなるようにしてるわ」

 なんとなく、こういう、はぐらかすような……。ちゃんと話すとか言ってるけど……。


「そうじゃなくて。まだわからないっていうことよ」

 ん?! トレアも読心術を……? あ、いや、神だったらできそうだな。


「私にも、よくわからない。でも、できる限りのことはやるから」

 まあ、このままではトレアを責めるみたいになってしまう。やめるか。


「あ、そろそろ時間みたい。私、そんなに長くこっちにはいられないのよ」

「そっか。じゃあ、またね。また夢で」


 トレアはすうっと光のようになって消えていった。

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