表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
第五章  外国での冒険
82/140

第八十話  悪魔たちとの別れ

「悪い、悪い。ちとやりすぎてしまったようじゃな」


 スカーレットがコンチータのことをおぶって歩いている。コンチータは魔力を使いすぎて、疲労困憊といった様子だ。と、言っても人ごとではない。


「あのねぇ。私の魔力奪っといてそれは何? 酷いでしょ、全く」


 私も取られすぎて歩けない。だって、急に4000も取るんだもの。勘弁して欲しい。どんだけ魔力使う魔法なんだ。


「それが、人の魔力を奪うのは難しくてな。半分も取れないのじゃ」

「はぁ?! あー、でも、そんなに魔力を必要としてるわけじゃないのか」

「まあ。でも、わらわ以外に魔力を奪う能力を使うことはできないのじゃ。仕方なかろう?」


 くっ……。まあ、私ができるわけでもないから言い返せない。


「まあ、ソフィア様、落ち着いて。殺されたわけではないんですから」


 うん……。私をお姫様だっこしているジェイドが優しい声色で言った。わかってるけど、馬鹿みたいな能力だね。


「にしても、本当に強いのぅ。わらわに勝ったものなど、久しぶりじゃ」

「ってことは、他にもいたの?」

「うむ。何百年も前のお主、ジェイドとやらじゃ」

「そんなこともありましたねぇ」


 ……はぁ?! どういうこと?! ジェイド、ここに来たことあったの?


「どういうこともなにも、私たちの住んでたとこってここですし。スカーレット拾ったのもここですし」


 そう言って街の一角を指した。なるほど、ここで生まれたのかって、ん?


「ブランシュ、出て行ったって……」

「あ、で、アンカが住んでたのはエルフのいた街、あったでしょう? あそこだったんで、そこに住んでたんです」


 最初に寄った街か。なるほど。ちょっと遠い。そりゃ、出て行ったになる。


「今日は楽しかったぞ。ありがとう、ソフィア。また会えたら、その時までには鍛えておく。まあ、ジェイドと戦った時より、ずっと強くなったがな」

「そうでしょうね。私ではもう勝てないかも。でも、無茶してはいけませんよ」

「わかっておるわ。お主も、だぞ。また今度、戦おう」


 ジェイドはニヤッと笑って「覚えておきます」といった。






「じゃあ、私たちは帰ります」

「そうね。クララたちが心配するでしょうし。楽しかった。ありがとう」

「ああ。俺たちは必ず待ってるから、ちゃんと帰ってこい」


 スカーレットとインディゴはそう言ってから、呪文を唱えてどこかに行ってしまった。


「まあ、あいつらのことです。きっと私たちと会ったなんて言わないでしょう」

 ジェイドが言うと、ブランシュは俯いてぼそりと言った。

「私、ほんとは父様ともっと話したかった」

「そうでしょうねぇ。無理してたような感じでしたから。せっかくだから甘えればよかったのに」


 静かに雫がたれた。






「ねえ、いまさらだけど、計画がないわ」

 エベリナが地図を抱えてそう言った。そういえば。


 私は地理で習ったことを思い出そうとした。

 確か……。エルフの森の南が人間の国。

 海を渡ってずっと東に行くと小人の国。

 また海を東に進むと、魔族の国。それは南北に長い。

 ずっと北に行って、海を渡って西に、つまり、エルフの森の隣に獣人の国がある。だったか?


「えっと……。魔族のところに行くのは危険すぎなぁい?」

「そうだな。やめておいたほうがいいだろう。完全に敵だからな」


 そうか、魔族の王が魔王だもんね。危なすぎる。


「じゃあ、小人の国、獣人の国に行こう」

「あとねぇ、どこかに、スライム娘がいるって、会いたいわぁ」

「私は雪女と会ってみたい」


 おお、みんな明確にあるんじゃないか。私は……。正直どこでもいい。


「えっとね……。じゃあ、案としては、こっからずっと南に渡っていく。そこから南に行き、小人の国を訪れる。もうちょっと北に行くと、スライム娘がいるって噂だから、そこによる。それからずっと北に行くと、雪女がいるそうよ。で、西に行って獣人の村、最後にエルフの森に帰る」

「リナ、それでいいよ。随分あっさり決まるのね」

「そうねぇ、私も想定外よぉ?」

「そうだな。そういうの向いてるのか」

 エベリナは目を見開いて、真っ赤になる。

「もう、そんな褒めないでよ」






 そのあと、期間は人間の国に一年、小人の国に一年、スライム娘の国に半年、雪女の国に半年、獣人の国に1年半と決まった。


「ブランシュ、あれでよかったのかしら?」

「さあ? でも、まだ、いいのでは? インディゴだって、気づいてたんでしょうし」


 そうか。まあ、もう絶対に会えないわけではないし。シナモンとは違うんだから……。


「あの、大丈夫です? なんだか、おかしくないです?」

「ううん、大丈夫。それにしても、暑いのね」


 すると、ジェイドが地図を指さす。今いる場所から向かっている場所を考えると……。


「もうすぐ夏なのに、赤道方面向かってるって事?」

「しかも、冬に南極方面に向かうっていう予定なんですよ?」


 おいおい。まあ、もう仕方ないけどね。こっから変えるなんてできるはずがない。


「でも、まあ、異常気象は魔法で調節しますから、そこまで変わりはしないはずですが」


 うん、でも、あっついのも寒いのも嫌だ。まあ、そこは仕方ないんだな。


「でも、コンチータ様に言ったら、笑われるでしょうね。そんなの関係なさそうですし」

「ふふふ、聞いていたぞ、ソフィア?」

「うわぁ?!」


 いつからいたの?! なんで聞いてたの?! ってか、どうして宿に入ってくるのよぅ?! 言いたいこと多すぎ!


「少しは手助けしてやる。お守りだがな。多少は効くはずじゃ!」

 ほんとだろうか? ってか、あなたは魔力切れで寝てたんじゃなかったですっけ?


「見張りは振り切ったぞ?」


 だ、そうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ