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金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
第四章  ソフィアの国、レルフィア
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第五十三話  練習試合2

「いだっ! ちょっと待ってっ!」

 ジェイドが怖いよ! 誰か、この悪魔何とかして!


 今日の相手はジェイド、インディゴ、スカーレットだ。どう考えてもクララ、レオン、サウル、ニコライ、インディゴよりも強い。


 っていうか、ジェイドの使っている剣の威力がおかしい。当たっていないのに切れる。

 しかも、寸止めどころか十センチくらい離れてるのに、だ。まあ、私が作ったんだけど。

 とはいえ、私の作ったレベルじゃ、そんなに切れるはずは……。


「あれ、ソフィア様、もう終わりですか?」

「はぁ、はぁ、ジェイドめ……」


 だって、酷いと思わないか? いきなり魔封じ系の魔法をインディゴが使うから、何もできない。

 剣は、まあ、持ってたけど、この悪魔三人をその程度でどうにかできるわけがない。

 しかも、回復魔法も使えない。魔法に頼りすぎたか? でも、レルフは魔法の家系だし。

 これは、明日はできないんじゃないか? 大体、立てないんだが。


「ジェイド、インディゴ! やりすぎ! ソフィア様、大丈夫ですか?」


 あぁ、スカーレット……。やっぱり優しいんだよなぁ……。

 スカーレットは私を抱きかかえて部屋に戻ろうとして、もう一度引き返した。

「次は木刀にしときなさい」

 あ、あまり変わんないよ。止めてくれなくなりそうだし。そうしたら、もっと痛い気がするんだけど?






「大丈夫ですか? すみません、あの人たちったら……」

 インディゴとだいぶ離れたので、回復魔法を使う。だいぶ痛くなく……なってないんだけど。


 スカーレットは私の家のベッドにおろしてくれた。私はそこに座ってスカーレットを眺める。

「平気ですか? 平気なら、もう行きますよ?」

「あ、うん、ありがとう。ごめんね、何か色々」


 出ていくスカーレットに軽く手を振り、私は自分の体を眺めてみる。

 にしても、あちこち怪我したものだ。傷はないけど、痛い。私は回復魔法苦手なんだ。やめて欲しい。


 というか、ローブがボロ布になってしまった。次はこれ着ていかないほうがいいね。何か別の練習着か何か作ろうか。

 とりあえずタンスの中から適当に服をひとつ出して着替える。白いシフォンワンピだった。

 にしても、私の服は随分地球っぽい。でも、みんなドレスっぽいから、庶民の普段着ではないのだろうね。


「はぁ。これ、勝てるのかな。無理な気がする」

 インディゴの魔法が……。なんとかなればいいけど、無理だろうな。

「なんかそんなのあったっけ? 発明するしかないか」

 うーん、妨害魔法か。あったとしても、今から練習してもなぁ。誰か知ってるだろうか? でも……。






「ねぇ、一回さ、一人ずつと戦わせてよ」

「? いいですけど……。それじゃあ私たち負けると思いますよ?」

 スカーレットは軽く言った。ただし、連続でという条件がついた。


「まずは、そうねぇ、インディゴがいいな」

「? いいんですか? だって、昨日……」

 いいんだ。だって、インディゴだけじゃどうにもできないでしょ?


 準備をして、武器を構えて対峙する。

 スカーレットがはじめの合図をくれた。さて、まずはインディゴがどう出るか。


 パラメータ変化や封じ系の魔法は他の物と同時に使うのが困難だ。攻撃しようと思ったらどんな魔法使いでも少しは弱まる。それでも尚、使ってくるかな?


「! あなた、それ、嘘でしょ?」


 魔封じの術。どうして? 使わないかと思ったのに。それに、更にパラメータダウンですって?! これじゃ勝てない。でも、勝たないと。

 これが解けたら。これさえなければ。


「この……」

「どうした? もう終わりか?」

 んなわけあるか! インディゴだって、私が負けず嫌いなの知ってるでしょ?

「ああ、もう! こんなもの! 解けろ!」

 魔法は思いの結晶。だから、強い『思い』が鍵! 両方解けた! 今!






 インディゴは怯えたように固まった。そりゃあそうだろう。目の前には鋭く尖った緑石弾エメラルドブレッド。その後ろには自分を睨みつけ、右手をこちらに向けた魔女……。


 あ、これは私だって怖いな。さっさと終わりにしてやろう。私が右手を下げると、それと一緒に緑石弾エメラルドブレッドは崩れて地面に落ちた。


「ふぅ。なんとか解けた。これでいいでしょう?」

 私は顔にかかった髪を払ってインディゴに笑いかける。大丈夫かな? ちょっとやりすぎ?


「ああ、すまない。では、次に行こう」

「スカーレット、いいかな?」

「ええ。ソフィア様と一対一は初めてですね」


 スカーレットは少し微笑んで蛇のような鞭を取り出した。あぁ、うん、悪魔だ。

 正直、彼女の戦い方はわからない。見たことがないんだ。どうするべきか。


 まずは軽くどんなものか調べるか。右の手のひらに猛火ローリングフレイムを構える。

 スカーレットはそれを微笑んだまま見守っていた。


「魔法の基本。杖か手のひらを向けた方に魔法を撃つ。ソフィア様、それでは誰でも読めますよ?」


 ?! な、なんて言った? でも、そうしないと、魔法は撃てない……。

 って、ええ?! 嘘だ。どういうこと? スカーレットは笑ったまま。気をつけの形のまま。それなのに、どこからともなく魔法が出てくる。こんなの、ありえない。


 まて、ちょっと落ち着かないと。スカーレットの撃つ魔法は火属性。

 私の得意なのも火だけど、それでは相性が悪いから。つまりはそういう事だけど。


 あぁ、でも、私も溺れそうだなぁ。仕方ないか。死海デススィー

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