表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
第四章  ソフィアの国、レルフィア
54/140

第五十二話  練習試合1

「うああ?! …………、うっ」


 サウルの急流ストロングカーレントが直撃したもんだから、私は思い切り吹き飛ばされた。

 しかもそのあとの落下衝撃があまりに大きすぎて、涙が出てくる。

 私は回復魔法をかけるのも忘れてそのまま空を眺める。


 勝てない。一週間もやってみたけれど、どれも負けた。

 いつも相手はクララとレオンとサウルとニコライ、それからインディゴ。

「大丈夫……? ごめん、防御魔法使ってくると思ったから」


 いやいや。私はインディゴのパラメータダウンの魔法をかけられた状態で、クララの猛攻を避けてレオンの槍を防いでニコライの矢を全て撃ち落としてたんだぞ? 無理に決まってる。

 しかもまさか全員がぱっと私から離れてサウルが全力で溜めていた急流ストロングカーレント撃ってくるなんて思わないじゃないか。


「ソフィア、大丈夫? ちょっとやりすぎだった?」


 うんクララ、やりすぎだ。殺す気で来るなよ。怖くて本気で行けないよ。特にあなた、クララ!

 ようやく回復魔法をかけて立ち上がった。あ、いやいや痛いよ。もう一度しゃがむ。

 サウルが慌てた様子で駆け寄ってくる。


「ご、ごめん! 大丈夫? ほんとに、ごめん」


 痛いです。けどまあ、毎回同じだ。いつも通り。ただ、倒され方が違うくらいか?


 一日目はクララにあっさり。剣と魔法じゃ相性が悪い。

 二日目はクララに気をつけすぎてニコライの矢に当たった。

 三日目は今まで動かなかったインディゴがパラメータダウンの魔法を使ってきたから、クララに。

 四日目はレオンの槍が思ってた以上に届いたわけで。

 五日目はサウルのヴァインに動きを止められてしまった。其処にクララが。

 六日目は油断していた。インディゴが攻撃してきたことはなかったから。気づいたら私の首には剣が突きつけられていた。あれは本当にぞくっとした。


 にしても、みんな庶民の人がいないければ敬語を使わなくなった。いいんだけど。嬉しいんだけどね。


「あぁ、まだダメか。なんでかな」

「だって、ソフィアが手加減してるから。一切攻撃してこないじゃん」

「あうっ! それは……」


 バレてたか。でも、攻撃すると殺しちゃいそうだし。怖いんだよね。殺人事件になりかねない……。訓練なのに、そりゃないでしょ? でも……。


「わかった。次はいきなり全員殺す!」

「わああ?! そんなこと言ってないって! 待って、待って!」

「冗談だよ。そんなことするわけないじゃん。でもなぁ。攻撃するとなぁ」


 どうしようか。眠らせるか、ちょっと起きられないように足を攻撃するか、ヴァイン使って動けないようにしておくか。

「ま、頑張ってね。私達はまた作戦会議だからー」

「むぅ、人数が多すぎるんだって。しかもバランスが良すぎる」


 また明日。もう七回目だ。そろそろ勝ちたい。

 ……よし! 次は本気で行こう。






「どう、なんとかなったかい?」

 ニヤリと笑うクララは、今回も自分たちが勝てると疑っていない様だ。でも。

「神級魔法練習してきた」

「え、嘘でしょ?! 神級?!」

 私の答えに、クララが大きな声を出す。聞いたニコライも目を見開いている。


 神級魔法はこんな感じだ。

 火  大噴火ラーチイラプション  猛火ローリングフレイム

 水  大滝キャタラクト  死海デススィー

 草  大森林フォレスト  地獄草ヘルプラント

 雷  雷雨サンダーストーム  酷暑インテンスヒート

 土  緑石弾エメラルドブレッド  硬石弾ダイヤブレッド

 空  地獄雨ヘルレイン  大吹雪ブリザード


 死海デススィーは大量の水が出てきて私が溺れそうになるという馬鹿な技だった。だから、まだ使えない。

 ただ、酷暑インテンスヒートは雷じゃないだろ、と思うが。

 まあ、そんなことはどうでもいいんだけどね。それなら、地獄雨ヘルレインは水でしょ? ってなるから。うーん、原理が違うのかもしれない。


 もともと、アバドンの森から帰ってきたあたりから神級は練習してきた。で、昨日やっと全部できるようになった。

 ただ、出来るだけで、制御できないものもある。意味がない。


「ともかく、やってみよう?」

 私は杖を構える。クララとレオンとニコライがビクッとして後ずさったが、それぞれ武器を取り出した。


 合図などは特にない。全員が武器を構えたら、だ。私は即効行動だ。いくよ!

 私の武器、無詠唱、無発音、一切言葉を発さない魔法。まずは地獄草ヘルプラント


「きゃっ?! なにこれ?!」

 クララが可愛らしい声を上げて蔓に足首取られ釣り上げられていた。ニコライも両手を縛り上げる。ニコライはどんな状況でも矢を放ってきそうだからな。弓を落としたことを確認。弓は別の蔓がキャッチした。


 それから雷雨サンダーストーム。レオンがびっくりして槍を落とす。いや、これには私も反応が遅れた。すっごいおっきい音なんだもん。まあ、それより雨がっ。スコールかよ?!

 これはちょっと危ないかも。すぐに晴らす。この雨で地獄草ヘルプラントがもっと大きくなった。ど、どうしよう、これ。


 ともかく、気がついたときには全員地獄草ヘルプラントが捕まえてた。私、指示してないのに。

 呆気にとられていると、蔓は彼らをそっと私の前に降ろした。


「いい子ね……。賢い……」

 いや、そんな馬鹿な。嬉しそうなんだが。蔓が? 植物が?

「ちょ、ソフィア……。なんで一日でこう変わるの?」

「わかんない。初めて攻撃したから?」


 今まで攻撃したことなかったし。そうか、防御は弱いけど、攻撃は強いってことか。先手必勝! ……、なんかちがくない?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ