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金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
最終章  その後
138/140

第百三十六話  シナモンの・・・

「うぅ……。もう朝……?」

「ほら、起きて下さいよ? ソ、フィ、ア?」

「はわっ?!」


 ジェイドがベッドに座って、そのまま私をお姫様抱っこ。そうだ、今日は、一緒に寝たんだっけ?

 もう、結婚してから一カ月。早いものだ。でも、まだ、何もかもが新鮮。知らないことばっかりだ。


「おはよう、ジェイド……」

「まだ寝るつもりですか? 全く……。朝ご飯、いらないんですか?」

「ううん……。ちょっと待って……」


 私は起きてジェイドの隣に座った。で、毎朝恒例のアレ。

 さぁて、今日も一日頑張りましょう。なにせ、正式に女王となって、やる事がたくさんあるんだから。






「ソフィア! 学校の先生が足りないって」

「また? どれだけレルフィアの人口増えたの? 仕方ないなぁ。召喚しておくから少し待ってて」

「ソフィアっ! また獣人の国から使者が!」

「えぇ? じゃあ、うーん、あと三十分待って貰って、すぐ行くから」


 私の名前が世界に完全に知れ渡ったせいで、余計に仕事が増えた。なにせ、条約を結ぼうとたくさんの使者が来るんだもん。たいてい断ってるけどね。この国は、結構独立した感じで進んでるし。なんだか、これ以上混ざらない方がいい気がする。


「ソフィア、大丈夫ですか?」

「ジェイド。あ、そうだ、教師が足りないの。何とかなる?」

「分かりました。呼んでおきましょう」


 ああもう、なんで急にこうなるの? 忙しい。

 一応、一揆的な物が起きないように注意してるけど、さすがにレルフィアの外、いや、エルフの森の外まではよく分からない。

 と、大慌て、という様子のヴェリが来た。


「ソフィア、今すぐ会いたいって人が」

「えぇ?! 獣人の使者と会うために、メークして髪もやんなきゃいけないのに……」

「まぁ、私も手伝いますから、行ってみましょう?」

「あ、それと、ジェイドも来てだって」

「……。えー、仕方ないですねぇ。ソフィア、行きましょう?」






 一応、さっきまで来てたローブを脱いでドレスを着ることにした。ジェイドと階段を下りていると。

 足を踏み外した。


「きゃっ」

「あ、ソフィア。危ないじゃないですか」


 ジェイドがひょいっと私を抱きかかえる。本当に軽々。ジェイドって、凄く痩せてるんだけど、どうして、ってくらい強い力持ってるんだ。

 ちょっと迷った末、ジェイドはそのまま階段を下りていった。随分機嫌が良いみたいだから、無理に降ろせ、って言えない。


「いやぁ、仲がよろしい事で」

「あ、ああああ! な、どうしてここに……!」

「? ジェイド……?」


 金髪で青い目をした一人の女性が、私たちを見て笑っていた。ジェイドは誰だかわかったみたいで、凄く驚いてる。誰だろ?

 っていうか、なんだか、見た事あるような……。って、ああ!

 私じゃないか!


「ソニア、様?」

「お、ソフィアちゃんだっけ? 大せいかーい」

「ど、どうしてここに……?!」


 ソニアは、ひょいっと私に何かを渡す。布みたいだけど、重くて、あったかくて……。赤ちゃんみた…………、赤ちゃんじゃん、おい!


「さっき、獣人の使者とか言う人が連れててさ。これ使って取引しようとしてたみたいだから、追い払っちゃった」

「そ、それだけの為に、此処に?」

「いやぁ、実は、私、この子つけてて」


 この赤ちゃんを? ソニアがつけてた? 意味が分からない。

 けれど、ソニアが意味ありげにウインクするから、私はその子に目を落とす。

 獣人だね。犬獣人。耳が生えてる。尻尾のあるのかな。えぇと、男の子、かな? 魔力の雰囲気的にはね……。

 あれ? なんだか、この魔力、見た事あるなぁ。


「ジェイド! この子、シナモンだ!」

「ええええ?!」

「そう。ソフィアちゃんに引き渡したくって。受け取ってくれるよね?」


 もちろんじゃないか。ああ、嬉しい。ソニア様に感謝しないと。

 この子が覚えてるはずない。けど、輪廻して、私の所に戻って来てくれるなんて……。

 ソニアは、あと、と口を開く。


「その子さ、双子の妹がいて。一緒に引き取ってよ」

「え? いいですが……」

「双子の、妹……」


 ジェイドが受け取ったその子も、私はじっと良く見てみる。

 この魔力も、見た事あるなぁ。なんだっけ? あんまり好きじゃない魔力だけど……。


「わぁ?! もしかして、アリシアじゃない?!」

「お、よく分かったね。この子たちは、もうすぐ一カ月。まだ本当に赤ちゃん。子育ては、そうだな、ハナとやってごらん」

「あ、あの、もう、行ってしまうんですか? できれば、ここに泊まって、なんて……」

「え、いいの?」


 ソニアは驚いたように私を見た。何でだめなのかが分からない、けど……。


「もちろんです。部屋を準備してあげないと。ゆきちゃん!」


 私が手を叩きながら言うと、すぐにゆきちゃんが飛んできた。私はゆきちゃんに部屋を一部屋準備するように言う。


「分かりましたわ、ソフィア譲」

「はい、じゃあ、ハナがいたらハナに、居なければ、そうだな、スカーレットに」

「ええ。では」


 ゆきちゃんはシナモンと違って上品でいいなぁ。スカートを翻して歩き去っていった。

 彼女は、私たちが不死になったあの瞬間、なぜか擬態できるようになった。その結果があの、上品なお譲さんです。

 ちなみに、それと一緒にアルラウネが大人になった。


「さて。じゃあ、獣人の使者も居なくなったらしいし、もどろっか」

「はい。この子たちも何とかしなければなりません」

「ふふっ。実の子じゃないけど、関係ないよね」


 トレア。私は楽しく過ごしているよ。見ていてくれてるかな?

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