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金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
最終章  その後
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第百三十五話  結婚式

「ジェイドさん、あなたは健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」


「ソフィアさん、あなたは健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

「誓います」


 おっかしいなぁ? 私、今、何やってんだ?

 ジェイドと戦いをしてから一週間。いつの間にか、こんな事になってるぞ?

 だって私、未成年だよ? これ、いいのか? おい……。


 なんて言ってたっけ? 確か、勇者の特権とか、特例とか、そんな事を言っていたような……。

 ああ、そうだ。『世界に平和をもたらしたソフィアなら、何やっても許されるわよ』だ。おおい、ナディアさん、それ、無理だよ。


「あなた方は自分自身をお互いに捧げますか」

「はい、捧げます」「はい、捧げます」


 ああ……。なんか、流れでやっちゃったけど、本当にいいのかなぁ? みんな、許してくれるのかな?

 けど、この人数を見れば……。それも、分かるね。

 オープンで行われたこの式。世界中からたくさんの人が集まった。私は止めて欲しいけどね!

 みんなが迅速に準備を始め、わずか一週間と言う準備期間の短さ。人見知り気味の私のため、来る人が少しでも少なくなるようにという心掛けだ。


 指輪交換して……。っていうか、なんでこれ、クララがやってるのさ? さっきからそっち見ちゃって集中できない。ニヤニヤするのは止めようよ?


「では、誓いのキスを」


 一週間前のあの時から、もう何度もやっちゃったけどね。

 なんたって、あたふたするジェイドがかわいすぎるんだ。どうして気がつかなかったかなぁ。もったいない。


 さて、もう人には慣れたとはいえ、写真が無いのは救いだな。それは流石に嫌だから。って?

 ……ああ、無理だ、魔法道具があるみたい。シャッター音的なものがき、こ、え……。

 マリアかよ?!






「ちょっと、どういう事?」

「だって、この日のために作ってこいって」

「ああ……、そう……」


 それは、マリアが悪いわけじゃないってことかな。まあ、マリアが独断でそんな事をするわけないだろう。性格的に。


「それはそうと、遠すぎて上手く取れなかった。もう一回キスシーン」

「はぁ?! なんで?!」

「え? そんなに別れる気が?」

「ないけど……。分かったよ……。ジェイド!」


 私が呼んだら、超高速で戻って来てくれた。誰かと話してたみたいだったけど、平気かな?

 マリアがカメラを構えているのを見て、一瞬で理解したらしい。

 本当にさ。止めて欲しいよね。マリアったら、ニヤニヤしながら何枚か撮っていった。






「お姉ちゃん、幸せそうだね……」

「ふえ? 何が?」

「いや。不死になっちゃって、大丈夫かな、って思ったんだけどね」


 マリンだけではなく、レルフィアの人には、魔王の城に言った時、何があったのか、とか、私たちの事とか、全部話してある。

 私が転生者だってことももちろん、不死になった事もね。


「ジェイドさん、結構格好いいな、って思ってたんだけどなぁー、なんて」

「だめだよ。誓ったんだから」

「分かってるよ。でも、お似合いじゃない? 両方寿命はないわけだし」


 そこかよ……。まあいいや。マリンも早く見つかるといいのにな。お母さんもいる事だし。

 でも、ある意味マリンも寿命が無いから。なかなか見つからないかも……。






 あまりに急すぎて、殆ど何が起きてるのか分からない私のために、リードは全てやってくれるし、多少私もゆっくりできるように考慮してくれた。

 その方がいい。っていうか、本当になんでこんな事になったんだろう。早すぎるなぁ。


 そう言えば。この前にお母さんが言っていた、話したい事。なんと、私に妹か弟が出来た。

 これで、私は安心してレルフィアの女王として君臨する事が出来る。

 まあ、その練習と思えばいいのかな。にしても、このドレスは本当に動けないけどね!


「いやぁ……。ソフィア、すごい綺麗だね……」

「ジェイド、本当にソフィアのこと……」


 例の通り、男の子たちが煩いです。知ってたけどさ、みんなが私の事好きなことくらい。

 でも、駄目なんだよ。本当に、心から信頼できるのは、ジェイドしかいないから。


「ドレス、随分きれいだね、似合ってる」

「ありがとう、レオン」

「誰がデザインしたんだろうね? 女王様、って感じだよ」

「あは、本当に女王だけどね」


 このドレスは、クララ、ルアンナ、ナタリア、アラーナ、ハナ、それからお母さんたちと決めたものだ。

 さっきまで、つまり結婚式で来ていたドレスは。肩から胸のちょい上までファーがあって、プリンセスラインのスカートはウエストにリボンが付いている。そこから二枚に分かれるように。袖は姫袖で、広がる前にファーとリボンが付いている。ハイトップの位置についたヴェールも上にギャザーが付いている。

 髪はハーフアップ。後ろで編む。これはハナにやって貰った。どうなってたのかよく分からないけどね。

……あと、私とジェイド、身長が二十センチくらい違うから、凄く高いハイヒール履かされた。


 さて、そんな感じで私は完璧に新婦姿となっていたわけです。重くて歩きにくい事を除けば、完璧だろう。ジェイドだって真っ白のタキシードだったし、これならちゃんと新郎新婦に見えるでしょ?


 でも今、結婚披露宴では、私はリボンにフリフリ、ピンクのドレス、ジェイドは薄い緑のタキシードだ。

 これは、私たちの色をイメージして。私的には、こっちの方がしっくりくるよ。


「ふふ、みんな、これからもよろしくね?」

『もちろん!』


 ああ、私って、恵まれてるなぁ。みんな、ありがとう、今日の事はもう、絶対に忘れないよ。

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