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金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
第六章  魔族との戦い
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第百十三話  二月のお祭り

「ソフィア様! もうちょっとで死ぬところだってんですよ!」

「ご、ごめん。まさか、あんな事になるとは思ってなかったの」


 ジェイドが怖い。すごい怒ってる。

 どうやら、やっと追い付いた時、声かけようと高度を下げていたら、崖から落ちる私を見たとか。

 で、またどこに行ったのか分からず、うろうろしていたそうで。


「でも、私は生きてるし、スライムが仲間になったよ」

「そういうのを結果論って言うんですよ! 気をつけて下さい!」

「はい……。今度は絶対に安全なところにしか行かないよ」


 ジェイドはため息をついて部屋から出て行った。

 まったく、帰って来ていきなり『何やってたんですか』から始まる説教はやめて欲しい。

 そこから一時間も言い合いになった。やっと解放してくれたよ……。


 ベッドに座ると、鳴きながらゆきちゃんが膝に乗った。寒いのかな。

 ゆきちゃんを撫でながら外を見ると、天使エンジェルが扉をこんこん、と叩いていた。


「今日は大変でしたね。まさか、あの人が一時間もここに居るとは思わなかったから、結構待ちましたよ」

「あれ、ごめんね? 入っていいけど、入れる?」


 扉を開けに行く事は出来ない。ゆきちゃんは、一度座ったら意地でも動かない。天使エンジェルは何か唱えると、窓はひとりでに開いた。鍵もかかってたんだけどね。

 ふわっと羽をたたむと、いつものように窓枠に座った。


「一つ質問があって来たんです」

「何?」

「ええ……。サークレット、使ってませんよね?」


 あ。でも、今日の杖みたいな事になりそうで怖いんだよね。

 と思っていたら、天使エンジェルがそれは勝手には外れない、つけたものの意思が無いとはずれないようになっている、といった。


「勝手に心読むのは止めようよ」

「え? ああ、そうですね。そのサークレット、トレア様と連絡しあうためのなんですよ」

「あ、そう、じゃあつけてた方が良い?」

「もちろんですよ。何のためにあなたの下に渡ったと思ってるんですか?」


 仕方ないなぁ。私はサークレットを引きだしから取り出して頭に付けた。

 これ、本当に急に魔力が増えるからびっくりするんだよなぁ。あんまり着けないのはそういうわけだけど、天使エンジェルは寝る時につけていても構わないと言った。それなら関係ないだろう。って。


「だから心読むのは止めなさい!」

「ええー。いいじゃないですか、楽ですし」

「びっくりするんだよ。止めて」


 天使エンジェルはちょっと残念そうな顔をして、それからサークレットをつけた私の顔を眺める。

 彼女は、私とトレアがよく似ていると言った。そうなのかと訊くと、トレア様の子供のころに似てる、と呟くように言った。


「子供の頃、知ってるの?」

「ええ。私はもともと女神だったのですが、ある事をして、落されたのでね」

「ある事?」

「ある女神の方を持ちました。その方は、嫌われ者でね……」


 それだけで、女神から天使の最下級まで落とされるの? そんな馬鹿な……。

 ちょこっと微笑むと、翼を広げて伸びをした。


「そろそろ帰らないと。じゃあね」

「また今度」

「今度は、もうちょっとゆっくり話しましょうね」






「ねぇねぇソフィア、バレンタイン!」

「……、は?」

「何作ろうかな、楽しみー」


 数日後。クララとルアンナが楽しそうに話していた。こっちにもバレンタインが?!

 でも、また面倒だな。どれだけチョコ作る事になるんだろう。マジで……。

 溶かして固めるだけならクッキーよりずっとましだ。焼いたりするのはひどく面倒だからね。


「みんなは、あげる人決まってるの?」

「当然、リーダーにはあげるよ」

「それは当然だよね」


 そうか……。この子たち、本命いないのかな?

 でも、どこまで地球と同じなのか分からないから、一応確認しておこう。

 説明では、同じだと思う。ただのチョコ配るイベント化してる所もあるけどさ。


「でも、やっぱり本命が欲しいところだよね」

「わ、私はお兄ちゃんに……」

「はいはい。そういえば、リリアーナ様はどうするんだろね?」


 ああ、そういえば。それは楽しそうだなぁ。あとで見に行こう。

 あれ? リリアーナ、今日はどこに居るんだっけ? もしかしたら、レルフィアに居るかも!






「バレンタイン? 作るよぉ、本気でぇ」

「そっか。ふふふ……」

「な、何ぃ?! そんなに楽しい?!」

「相当ね」


 さて、フェリオスはどんな顔をするんだろう? って言うか、リリアーナの方に興味がある。

 エベリナとマリアはどうするんだろう。2人も作るのかな? 友チョコもあるだろうし。


 私? 全員分ってことになっちゃうよね。一斉に作ってパーティーにでもして配れば良いよ。

 多分、この国は相当なお祭り好きがそろってるから、パーティーになるだろう。それほど余裕があるってことだけど。

 門のバリアは強力化されて、周りも魔族を弾く結界を張った。悪魔も怪しいのだけれど。


「さて、何作ろうかなー」


 当然、リーダーには特別だしね。何作ろうか。トリュフ? 生チョコ? 何でも作れるけどなー。

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