表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
金髪、青目の美人エルフに転生!  作者: 鏡田りりか
第六章  魔族との戦い
111/140

第百九話  メリークリスマス!

「メリークリスマス!」

「メリークリスマス!」


 この世界にもクリスマスがあった。ソニア様が広めたとか。

 んで、実はエルフ国王だったサウルのお父さんの先祖がお祭り好きだったため、取り入れられたとか。

 そう、サウルのお父さんは国王です! 国王って表現もどうかな、って感じなんだけど、とにかくエルフの森の王様。はい、結構大変です。こんなところに居ていいのか、王子! でも、実は勇者の子孫の方が権力持ってます。

 お父さんの言っていた『お祭り好きのエルフ』って言うのは、エルフがお祭り好きなんじゃなくて、お祭りが好きなエルフ、って意味だったんだ。つまり、お祭りが好きなエルフが国王だからな、ってこと。


 っと、話がそれた。クリスマスだった。

 今はホールで騒いでいる。私も赤と緑の衣装を身にまとっています。

 真っ赤なドレスを着て、緑のマントを着てる。なんかおかしいけど、いいんだろうか?


 と、それはさておき、私はみんなにクリスマスプレゼントを用意する羽目になった。どうしよう、と思って、クッキーを焼いた。そりゃあもう、大量に。もうすぐ出す事になるだろう。

 リーダーのみんなには、特別に用意した。それは後で。


「ソフィア様、雪、降りますかね」

「ジェイド。雪は降らない」


 だって、気候管理されてるもん。それはつまり、雪を降らせろ、ってことでしょ?

 私は吹雪スノウストームを空に向かって放っておいた。そのうち降るように設定して。


 さて、私たちだけど、実際、結構暇になって来たので、一年待ってもらう必要がなさそうになって来た。が、約束は約束。今はただの主従関係になってる。

 うん、本当に悪いと思うけどさ。今まで通りだって、いいでしょ。


「いやぁ、仲が良い事。ソフィア、ジェイドさん」

「そ、そんなんじゃない!」

「何言ってるんですか!」

「えぇ?! 今日はずいぶん反応するね」


 クララの冗談にあまりに派手に反応した私たちは、さすがに驚かれてしまった様子。

 確かに、今までは結構スルーしてたかも。そうかなぁ? なんて言って。

 そうか。それは私だけだったのかも。ジェイドはどうだったのかわかんない。


「で? ソフィア、早くしないと出すタイミングが」

「あ、ルアンナ、ありがとう! 行ってくる!」

「転んじゃダメだよ、そんな服着てるんだから、気をつけなさい!」

「分かってるよ、クララ」


 大量のクッキーは、昨日一日使って頑張って焼いた。魔法駆使して。結構本気で作った。

 魔物倒すのは一瞬な私が、クッキー作りに苦戦するとは……。なんてこった。

 おかしいなぁ。そんなにクッキー難しか……、量だよ、量。量が異常なんだ。

 練習用の広場で魔法駆使してやった。焼くのが大変なんだ。量が多いから、一度に多く焼くし。で、温度管理をきちっと行い、場所によって違う、なんてことがならないようにしないといけない。面倒。


 でもまあ、何とかなった。すごい時間かかったけどね。楽しんでもらえるならいいよ。

 取り合いにならなければいいんだけどなぁ。どうだろう。数に限りがありそうだ。

 まあ、そんなことにはならない事を願う。これだけ時間かけて作ったんだし。


「さて、クララ。リーダーを集めてくれない?」

「ん? いいよ。ここでいいの?」

「うん。あ、いや、舞台へ」






「じゃあ、皆さん。いつも頑張っているリーダーの九人に、プレゼントを渡したいと思いまーす!」

『おおー!』


 いっそのことイベントにしてしまえ。渡しやすい。そりゃあもう、非常に。

 貰う方は知らん。大体、国の代表だからこれくらいやってもいいとは思うよ。

 って言うか、女王だしね、私。最高権限持ってるからさ。諦めてくれ。


「まず、クララ!」

「え? 私?」

「クララには、このイアリングを」


 クララにあげたイアリングは、私の魔法で作った魔石を使っている。攻撃力が上がるように作った。

 控えめなデザインは、クララにあうように結構考えて作った。つまり手作り!


「はい、じゃあ、ルアンナ」

「うれしいね、なんだろう」

「ルアンナは、ブーツだよ」


 ルアンナに渡したブーツも、ただのブーツではない。私が魔力込めて作ったんだもん。速く動けるようになるブーツ。もともと速いルアンナに渡したら、どうなるんだろう?

 黒くて、ちょっと長めのブーツ。衣装にあうようにしてある。気に入って貰えたみたい。


「ナタリア。おいで」

「な、なによ」

「ナタリアは、手袋ね」


 ナタリアに渡した手袋は、弓を扱いやすくする、という特殊効果付きで。

 今、ナタリアが使ってるのは、もう古いしね。新しくしてあげたかったんだ。


「アラーナは、これだよ」

「えぇと、ペンダントかな」


 そう、ペンダント。クララと同じ、私の魔力で作った魔石の。魔力が上がる効果付き。

 で、魔力の変形を覚えた私は、魔石を紫色にした。うまくいったと思う。


「次は、フェリオス」

「なんだ?」

「フェリオスには指輪」


 これも、攻撃が上がる魔石をつけて。金属はシルバーにした。女の子は、ゴールドだから。

 小さめで、邪魔にならないように。気をつけて作った。変形しないように、耐久力もね。


「レオンは、これ」

「馬具、だね。ありがとう」


 この馬具も、今レオンが使ってる馬(犬)の大きさに合わせて作った。そして、その馬の能力を引き上げると言う効果が付いている。槍騎兵にとって、馬は大切だからね。


「ヴェリはこれだよ」

「あ、籠手だね。うん、この鎧に合わせて、か」


 鎧に合わせて。でも、ちょっと目立つように、淡い色のついたシルバーの籠手。防御が上がる効果付き。そこの、ではなく、全体的に、ね。


「ニコライはこれ」

「これって、もしかして……」

「そ。ナタリアとお揃いだよ」


 ニコライには、ナタリアとお揃いの手袋を。弓が撃ちやすい効果付きだね。でも、色をちょっと変えてある。気が付くかな?


「最後、サウルはこれだよ」

「……? 御守り、かな?」


 そう。魔力が上がる御守り。結構頑張って作ったんだよ? 布から作ったんだもん。

 布を作るところから魔力を込めてあるから、結構効果はあるはず。


「さて、みんな受け取ったよね。さ、みんな! 今日は楽しもうね!」


 と、此処で。わあ、と歓声が上がる。外を、チラチラと、白い雪が舞っていた。よし、タイミングバッチリ。ジェイドがパチッとウインクを撃ってくる。笑みを返してやると、満足そうに外を眺めに行った。


 当然、この騒ぎは深夜まで続いた。寝た後にプレゼント、なんて不可能だ。先に渡せてよかった……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ