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試合準備

 寮へと戻ってきた大和と響は、奏の部屋の前にいた。

 響がインターホンを押し、応答に出たティアラに奏を呼んでもらう。


「お帰り」

「お姉ちゃん、ただいま。真彩さんからのメッセージは見たよね?」

「もちろんよ。まあ私たちのランクじゃ珍しい事でもないでしょ」

「そうなんだけどね、けど今回は大和君が初戦だし」

「私としては大丈夫だと思うけどね」


 そうでしょという視線を響の後ろにいた大和に投げかける奏。それに大和はニヤリと笑みを浮かべながら頷いた。


「まあ、実力から言えば問題ないな」


 奏を圧倒できるだけの力がある大和ならば、初戦だろうと十分に活躍できるだろうと奏は思っていた。

 普通ならば、初めてのバベルクライムでは緊張で体がガチガチになり、いつもの動きができずにやられてしまう場合もあるが、大和がそんな性格ではないことぐらいすぐに分かる。


「けど、俺は相手の情報とか何も知らないんだけど」

「それは明日真彩からでも聞けるわ。というより、真彩しか詳しいデータは持ってないわ」

「私たち分析は苦手ですからね……」


 奏や志保は言わずもがな、響も相手チームの偵察などは苦手だった。それ以前に、家事が忙しくて、そんなことまで手が回らない。

 基本的にリンブルでは真彩が情報収集を担当している。最初こそ、本当に必要な情報が無かったりもしたが、今では仕事にも慣れ、有益な情報をしっかりと拾って来てくれる。


「じゃあ詳しくは明日になるのか」

「ええ、今できるのは杖のメンテぐらいね」

「そうだ! 大和君は急がないと」

「どうしたの?」

「新しい杖と腕輪は変えたんですけど、両方ともカスタムしてるみたいなんです。だから、調整とかしないといけないみたいで」

「それ大丈夫なの? 試合はもう明後日よ? 変に不調の出てる杖とか使うとマズイわよ?」


 基本的に売られている杖や腕輪はAIチップを挿入するだけですぐに使える状態になっている。しかし、自分でカスタムを加えると、配線や魔力の流れの変化のせいで不具合が出る可能性があるのだ。

 その為、カスタムする場合は大抵が一週間程度の余裕を持ってカスタムを行う。それを今日の夜と明日一日で仕上げなければならないのは、かなり難しい。

 不具合の発生する可能性のある杖を使って、試合中に杖が使用不可能になれば、即座に負け判定が出てしまう。それでは大和をチームに入れた意味が無いのだ。


「カスタム自体は、もう何度もやったことある奴だから大丈夫だ。腕輪は間に合わないだろうから、後回しになるけどな。とにかく杖だけは明後日までには完璧な状態に仕上げられる」

『任せといて! 私がバッチリサポートするから』

「つうことだ。じゃあ俺はカスタム作業始めるから」


 大和は買ってきた響のオーブンレンジを響の部屋の前に置き、二人に軽く手で挨拶して、自分の部屋へと戻る。それを見送った奏は響に尋ねた。


「あの様子だと問題はなさそうね。響、あいつにご飯作ってやるんでしょ?」

「あ、分かります? 多分、ご飯買に行く余裕も惜しいでしょうから」

「食材ちょっと多めに買っておいて正解だったわね」

「さすがお姉ちゃん、分かってますね。じゃあ私も夕食の仕込みに入りますね」

「私は志保を呼んでから行くわ」


 響は玄関前に置いてあるオーブンレンジを持って部屋へと入る。奏は志保の部屋のインターホンを押した。



『大和、そこの回路一つずれてる』

「おっといけね」


 部屋のセキュリティーシステムをさっさとイクリプスに同期させ、杖のカスタムを始めて早二時間弱。日は完全に落ち、窓の外には町の夜景が広がっている。

 時々あるミスをイクリプスの指摘で補いながら、大和は杖のカスタムを休憩を挟むことなく続けていた。

 待機状態の杖は野球ボールサイズとは言っても、その中身にはぎっしりと機械が詰まっており複雑に入り組んでいる。それの解体や組み上げをする大和の手には、おのずと緊張が走る。


「この基盤ってこっちでよかったか?」

『あってるよ。それの後は十二番ね。それが終わればいったん休憩に入れるよ』

「了解」


 大和は、杖を一度完全に解体していた。そして、解体したパーツの中から、買って来たものや、今使っている杖の中から必要なパーツを取り出し、交換していく。

 ここまでは、説明書があれば誰にでもできる行為だ。しかし、ここからが問題になってくる。

 杖のカスタムの中で、最も難しい工程は、一度解体された中身を再び元の形に組み上げる場面だ。

 ただの機械のように組み合わせてできるならば、簡単だっただろう。しかし、杖や腕輪は魔法科学の結晶なのである。

 その組み立てにももちろん魔法が必要になってくる。

 そうでなければ、杖が起動した後とその前での質量の違いに説明がつかない。野球ボールサイズの玉が槍や剣、斧、弓に変わるのだから、西暦の時代に積み上げられた物理法則がガラガラと音を立てて崩壊する。


「魔力を流して、基盤の魔法陣を活性化――」


 ぼんやりと淡い光を放つ基盤を、球体の中へと差し込む。すると、すでに入っている他の基盤も、淡く発光を始める。これが、きちんと魔法の回路がつながっているという証明だ。これが光らなければ、どこかで魔法の回路がつながっておらず、起動しても形が変わらない事態になる。


「成功か」

『仮組終了だね』


 外装は未だ剥がしたままだが、中のシステム自体は完全に組み込めた。ゆっくりと手を放して、いつの間にか額についていた汗を袖で拭い取った。


「運転テストは飯食ってからにするか」

『そうだね。もう八時過ぎてるよ』

「道理で。じゃあコンビニでも行くか」

『あ、ちょっと待って。先にこのメッセージ見た方がいいかも』

「メッセージ?」

『響ちゃんから一時間ぐらい前に着たやつ。緊急じゃなかったから、後回しにしたけど』


 それは、ちょうど杖の組み立てを始めた辺りで来たメッセージだった。そのため、イクリプスは内容を確認して、緊急性が無いと判断し、集中が必要となる杖の組み立てが一段落するまで、伝えるのを遅らせたのだ。


「見せてくれ」

『ほいほい』


 コンタクトに表示されるメッセージ。そこには、大和の分のごはんも作っておくから、作業が一段落したら教えて欲しいというものだった。

 そのメッセージに、思わず笑みがこぼれる。


「なんか、迷惑かけっぱなしだな。何かお礼しないと」

『でも大和ができることなんて限られてるよ? それこそ、バベルクライムで勝つぐらいしかないんじゃない?』

「なら、明後日は盛大に盛り上げないとな。そのためにも杖は完璧に仕上げるぞ」

『じゃあまずは栄養補給だね』

「おう」


 イクリプスに、響宛てのメッセージを頼み、その間に散らばった作業道具やパーツなどを一旦片づけて、テーブルの上を空ける。

 響からはすぐに返信が返ってきた。


『いつでも大丈夫だって』

「じゃあ行くか」


 部屋を出て、隣の部屋へ。インターホンを押せば、シルバリオンでは無く、扉がすぐに開いた。


「大和君、お疲れ様」

「おう、料理作ってくれたんだって? ありがとな」

「いえ、杖の状態はどうですか?」

「今最初の仮組が終わったところ。この後試験運転して、調整を繰り返すだけだな。明後日には間に合いそうだ」

「良かったです。すぐに準備しますから、入ってください」


 響は大和を部屋の中へと招き入れようとする。その行為に、大和は戸惑いを隠しきれなかった。


「良いのか? 男をこんな時間に部屋に入れて」

「大丈夫ですよ。お姉ちゃんたちもいますから」

「ああ、まだいんのか」

「だいたい寝る直前まではいますからね」


 響が苦笑しながら、大和を部屋の中へと招き入れる。

 響の部屋は、間取りこそ大和と同じだが、色々な所がアレンジされていた。

 廊下と部屋の間にはカーテンで仕切りができている上、キッチンは使いやすいようにか格子状のラックハンガーが設置され、フライパンやお玉など、色々な物が掛かっている。対面にも、台が追加され、作業スペースが格段に広がっていた。今日買って来たオーブンレンジは、すでに戸棚の中に設置されて、いつでも使える状態になっている。

 コンロの鍋からは、良い匂いが漂って来ていた。


「お邪魔します」

「はい、どうぞ」


 響と共に、部屋に入れば、奏はベッドにもたれ掛ってテレビを見ており、志保はそのベッドの上で雑誌を読んでいる。


「お前ら寛ぎすぎだろ」

「あら、いらっしゃい。響にご飯作ってもらえるなんて、感謝しなさい」

「そのセリフ、まんま返せる気がするわ」

「私はほら、手伝いとか頑張ってるし」

「まず自立することを頑張れよ……」

「うっさわね。それでそっちの調子はどうなのよ? 杖が間に合わなくて試合に出られませんでしたじゃシャレにもならないわよ」

「今ンとこ順調だ。明後日には間に合う」

「だと良いけど」


 響に案内され、テーブルに着く。響の部屋のテーブルはかなり広く、四人が囲んでも純分な広さがある。ただ、食事の時以外は大きすぎるので、折りたたんで壁に立てかけてある。その時には別の少し小さいテーブルを出している。


「じゃあすぐに準備しますね」

「なんか手伝うことある?」

「もうほとんど準備はできちゃってますから大丈夫ですよ」


 そう言って、響は台所で料理の仕上げ作業を始める。それを見ていると、奏がおもむろに大和の顔に手を伸ばし自分の方へと向けた。


「あんた、響が優しいからって勘違いしちゃだめよ。あの子は誰にでもああなんだからね」

「それぐらい分かるわ。てか、あれは無防備すぎだろ。変な男ならわらわら集まるぞ」


 ちょっと優しくされただけで勘違いする男など、数多くいる。それに加えて、響の容姿はかなりいい。町を歩いていれば、確実にナンパされてもおかしくないレベルだ。実際、二人で買い物をしている時は、周囲の男たちの視線を集めていた。


「だから私たちがいるんじゃない。あんたみたいなのが隣の部屋になるんだから、余計に気を付けないといけないしね」

「って理由で入り浸りたいだけだろ」

「……そんなことないわ」

「今の間はなんだ、今の間は」

「何話してるんですか?」


 そこに、食器とサラダをお盆に乗せて響が戻ってくる。


「ちょっと明後日のことについて話してたのよ。同じトップアタッカーだし、動きとかね」

「おう」

「そうだったんですか~。もう明後日ですもんね」


 響は奏の言葉を素直に信じて、そのまま大和の前に食器を並べていく。


「とりあえずサラダです。メインディッシュはもうちょっとだけ待ってくださいね~」

「おお! サラダだけでも十分美味そうだ」

「ふふ、ありがとうございます」


 再び響が台所へと戻り、大和と奏は顔を突き合わせる。


「あんな簡単に騙されるのよ。私を信用してくれてるのは嬉しいんだけど、他の人でもあんな感じになるんじゃないかって不安で仕方がないわよ」

「まあ、言いたいことは分かる。けど、部屋に入り浸りはやりすぎじゃね?」

「それは単純に私の部屋が住みにくいだけよ」

「結局それかよ……」


 最終的にはそこに辿り着くのかと思いながら、大和はフォークでサラダを突き刺し口に運ぶ。

 みずみずしいレタスと玉ねぎが口の中でシャキシャキとはじけ、ドレッシングが程よい酸味と後味を残す。


「美味いな」

「当然よ」

「お前が威張ってどうする」

「おまたせしました~。メインディッシュですよ~」


 そしてとうとうメインディッシュがやってくる。響はオーブン用の厚手の手袋を付けて、その上には、木の板に乗せられた鉄板が見える。


「さっそくあのオーブンを使ってみました~。ミートドリアですよ」


 大和の前に、ジュクジュクと焼け溶けたチーズが音を上げるミードドリアが置かれる。瞬間、ミートソースの匂いに、口の中では涎が溢れ出汁、腹が早くそれをよこせと訴える。


「スゲー、ドリアなんて家で食ったことねぇや」

「意外と簡単ですよ。今はホワイトソースも市販で売ってますからね」

「へー、っとじゃあいただきます」

「熱いので、気を付けてくださいね」


 木製のスプーンをドリアに突き刺し掬い上げ、一気に口の中へと放り込む。濃厚なチーズとホワイトソースの味が口の中に広がり、その後にミートソースの肉汁とトマトの酸味が加速度的に美味さを押し上げる。

 しかし、それを感じれたのは束の間。口の中全体を、激痛のように走り抜ける熱。


「あっふっ!」

「ああ! ほら、熱いって言ったじゃないですか!」


 響が慌てて水を差しだしてくれる。それを受け取り、一気に飲み干した。

 その様子を見て、奏が呆れている。


「バカじゃないの。グツグツいってるドリアを頬張るとか」

「そうですよ、無謀すぎます」

「いや、あまりに美味そうだったんでな。つい」

「もう、気を付けてくださいよ」

「悪い悪い。じゃあ改めて」


 今度は気を付けながらスプーンを口に運ぶ。

 先ほどは一瞬しか感じることのできなかった美味さが、口の中にゆっくりしっかりと広がる。


「美味い。スゲー美味い」

「ふふ、お口に合ってよかったです」


 大和は、奏と響の姉妹に見られながら一気にドリアとサラダを平らげた。

食後、迷惑ばかりはかけられないと、食べ終わった食器を洗おうとするが、響に止められ、早く杖を完成させるようにと早々に部屋に戻されてしまった。


「さて、じゃあやるか!」

『待ってました!』

「振り回しは明日だ。とりあえず回路面の異常がないか、一気に調べていくぞ」

『どんとこいだ!』


 仮組状態の杖にイクリプスのAIチップを挿入し、大和は杖を起動させた。




「じゃあ明日の対戦チームを説明するわね」


 翌朝、ギリギリまで調整を続け、遅刻スレスレで出社した大和。

 他のメンバーはすでに全員が揃っており、各々に駄弁っている。そしてメンバー全員が集まったところで真彩が明日に迫った対戦について説明を始めた。


「相手チームは(株)花鳳のチーム(おおとり)よ。五人組の全体的なバランスのいいチームで、最近調子を上げて来てる所ね。うちとしてはあまり嬉しい情報じゃないわ」


 真彩はホワイトボードに投影機を使って鳳のチームデータを表示する。

 五人チームで、メンバーは奏のようなアタッカー二名に後衛を守るディフェンダーが一人、マジシャンが二人で、その内の一人がヒーラーも兼ねている。バベルクライムではこれが最もポピュラーなチーム編成だ。

 ポピュラー故に、隙が少なくチームメンバー個人の技量がそのままチームの技量になる編成でもある。そして、メンバーは一部上場企業である花鳳が集めただけあって、なかなかのプレイヤーが揃っている。

 そんな企業がなぜこんな下のランクにいるのかといえば、リンブルと同じように最近参入したからだ。花鳳の商品展開は家庭用洗剤や化粧品がメインで、バベルクライムとはあまり関係が無かったためこれまでは進出してこなかったのだが、近年のバベルクライムの人気の高さと宣伝効果に惹かれて参戦したのだった。


「手強い相手ってことね」

「面白そうじゃん」


 そのデータを見て、大和と奏はやる気満々である。もともと試合が好きな二人なのだから当然だろう。

 それに比べると、響や志保は若干不安そうだ。


「勝てるんでしょうか?」

「作戦はあるの?」


 志保の問いに、真彩は首を横に振る。


「大和君が入ってまだ一日しか経ってないのよ。彼の実力も把握し切れてないし、コンビプレーなんてもってのほか。正直、個人戦に持ち込んで各個撃破するしかないわね」


 データ的に言えば、こちらの方が個人のスペックは上なのだ。それならば、各個撃破でも問題はない。しかしそれは、同じ人数だったらの場合だ。

 相手チームは五人に対し、こちらは大和を含めて四人。一人は二人分の相手をしなければならなく、かなり厳しい状況である。もし、そこが早々に崩されれば、一気に押し込まれてしまうだろう。

 第二課が暗い雰囲気に包まれそうになる。しかし、それを遮ったのは、大和だった。


「人数を同じにすりゃ良いんだろ?」

「そうだけど、今からもう一人増やすなんて無理よ? 大和君を見つけただけでも奇跡だったんだから」

「別に人を増やす必要はねぇよ。相手チームを一人瞬殺すりゃいいんだ」


 当然のように言う大和に、奏が呆れながら反論する。


「何言ってんのよ。いくら個人的な能力が勝ってるとは言っても、瞬殺なんて出来る訳ないでしょ」

「奏こそ何言ってんだよ。真彩さんが俺のどの技を見てここにスカウトしたと思ってんだ?」

「どの技って――」

「-―――雷光刹華……っ!? そう言うことね!」


 真彩が大和の意図に気付く。


「どういうことよ」

「奏なら健翔君が低ランクだったころの試合知ってるでしょ?」

「シズルの健翔の? 確か――! そう言うこと。けどあんたに出来るの?」

「あの技なら余裕だ。ちょうど俺の計画にも合致するしな」

「あの、どういうことなんでしょう?」

「会話が理解できない」


 健翔の試合は高ランクから見始めた響と、健翔の試合すらほとんど見たことのない志保は、三人が何を言っているのか全く理解できなかった。

 それを補足するために、真彩がフォルナのデータバンクから健翔の試合を引っ張り出し、二人に見せる。

 それを見て、二人も大和が何をやろうとしているのか、ようやく理解した。


「これができれば確かに強いですね」

「一気に流れが傾く」

「そう言うことだ。この作戦でいいか?」

「私は異議なしよ」

「私もそれでいいわ。新人に掛けるのは癪だけど……」

「私も良いですよ」

「異議なし」

「なら明日はこれでいくぜ。じゃあ俺は杖の調整続けるから、先に退社しても良いか? それとも今日って練習ある?」


 杖の調整も必要だが、練習があるのならば奏の練習に付き合った方が収穫は大きい。新しい杖でなくとも、今回の作戦自体に支障は出ないため、大和は奏を優先するつもりだった。


「いいえ、明日が試合だし、大和君はもう帰っても大丈夫よ。後の三人には用事があるけどね」

「分かってるわよ。いつものでしょ?」

「今日は四人分決めないといけないから少し大変よ」

「なら頑張らないとですね!」

「うん」


 何やら話し合いをしている四人の様子は、バベルクライムの練習をしている時よりも、どことなくイキイキしているように見えた。

 それに首を傾げつつ、大和は一足先に寮に戻って杖の調整をするのだった。


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