一日目 いつものやりとり
早めに会社に出勤し、仕事前のコーヒーを飲んでいる。
ちらりと時計に目線をやると、8時15分。
今日もそろそろヤツがやってくる。
「本郷せんぱーい!!おはようございます!今日もスラリとした綺麗な足してますね♪」
バコッ!!
さわやかな笑顔で変態発言をしたヤツに、一発手近にあった分厚い本でお腹に強烈な攻撃をかましてやった。
「っいったー!!」
そう叫び、腹を抱えうずくまった。
「でもさすが本郷先輩です。いい攻撃です。痛気持ち良かった・・・。」
恍惚とした表情を浮かべるヤツをそのまま放って、自分のデスクに向かった。
残りのコーヒーを飲んでいると、
「三奈先輩、おはようございます。」
可愛らしい後輩がきた。
「おはよう、ひなたちゃん。」と挨拶を返した。
「今日もあのバカはやらかしたそうですねっ!!本当に三奈先輩に何してくれるんだか!」
この後輩は、私を慕ってくれ、何かと私に変態発言するヤツを怒ってくれる。
可愛らしくて、いい後輩だ。ヤツと違って。
続々と他の社員も出勤し、最後に日野原課長が到着した。
「おはよう、今日も気合入れて仕事すっぞ。と、その前に今日も本郷たちはやりあったそうだな。相変わらず、楽しそうだな。」
「楽しくありません!」
「楽しいです!」
同時に正反対の叫びがあった。
「そのハモリは仲のいい証拠だな。」と課長はニヤリと笑った。
こんなやりとりがここ一年ほどの定番となっていた。
新連載始めました。
よろしくお願いします!