俺たちの日常
今日は雲ひとつ無い快晴。
そんな中俺たちは學王学園の毎朝の日課、というか学校の方針である20kmマラソンをこなしていた。
狩場先生「大東!!貴様、列から乱れているぞ!!あとで生徒指導室に来い!!」
大東と呼ばれた男はこのペースについていけずに遅れて狩場先生に怒られた
またか……と俺はボソっとつぶやいた。
狩場先生「清峰!!マラソン中に喋るとはいい度胸だな!貴様もあとで大東と生徒指導室に来い!!」
くそ……俺もか……もう嫌だ……
狩場先生「大東と清峰!返事はどうした!!」
瞬、大東「はい!!」
マラソンでバテてながらも俺と大東は嫌々返事をした
これが毎朝なのだから俺たち生徒は精神的にも肉体的のも俺らは追い詰められていた
-廊下-
直輝「瞬~、マラソンお疲れ!つか、お前また呼び出しかよ!頑張れよ」
瞬「直輝か、お前もお疲れ。あぁ、仕方ないから行ってくるよ」
俺に話し掛けてきた高柳直輝という男は俺の唯一無二の親友である
直輝「そういえば、悪いニュースだけど、俺らのクラスの田中が自主退学したらしいぞ」
瞬「そうか……そりゃこんな学校じゃやめたくなるさ。それに俺はお前以外とはあまり話さないから田中
って奴が誰だか分からないや」
直輝「確かに生徒数多いし毎日が欝過ぎて話す気力にもなれないから話してない奴多いよな。まぁとりあえずお前は指導耐えてこい」
瞬「はいはい」
適当な返事をして直輝と別れて指導室に俺は向かった
指導室に向かう途中で後ろから誰かから話かけられた
??「清峰!お前も俺と同じく指導なんだから一緒に行こうぜ」
後ろを振り向くと今朝一緒に狩場先生に怒られた大東がいた
瞬「ん?あぁ大東くんか、いいよ」
しばらくの沈黙のあと大東がこう言った
大東「俺さ、まだ入学して2ヵ月だけど、もうこの生活耐えられないや」
瞬「皆そうさ。俺だって辛い」
大東「朝5時に起きれば列が乱れるだけで怒られる20kmマラソン。8時間授業。それから強制自習。そして
寮で雑用・・・俺にはもう無理だ。だから俺は今日限りで辞める」
ここ[學王学園高等部]は中高一貫のスパルタ私立校だ。
ちなみに俺は中等部の時からこの学園の生徒だ。
ここは中等部の時は普通の学校だが、高校からは転校出来ないのをいいようにして、全面的にスパルタ教
育となるのだ。
高等部は完全寮生活で外からシャットダウンされているから、俺含めここの生徒はこの教育制度を知らずに中等部からエスカレーター進学したり、一般入試で入ったりしている。
瞬「そうか……まぁ止めはしないよ。ただ、ここは私立高校だから公立高校には転校出来ないし、こんな
中途半端な時期に編入を許してくれる私立高校なんてないだろう?退学してからどうする気だよ?」
大東「決めてないよ」
瞬「え?」
大東「ただ、決めてるのは退学する前にあの狩場を殴るってことかな」と言いながら大東はハハハと笑った
瞬「お前面白いな」と俺も笑った
大東「まぁな!だからお前はここで教室に帰っていいよ。どうせ俺が狩場殴って問題になるから学校側は
清峰の指導どころじゃないだろ」
瞬「そうだな……じゃあ俺は戻るよ。」
大東「あぁ」
サッと後ろを向いて帰ろうとしたが言い残したことを言った
瞬「お前ともう少し早く会いたかったよ」
大東「うん、俺もだよ」
二人は笑いあって反対の道を歩いて行った
-1時間目前-
大東に促され教室に戻ったところで放送が流れた
放送「清峰瞬、清峰瞬。今すぐ生徒指導室に来なさい」
瞬「え?」
直輝「お前また何かしたのか?」
瞬「いや、分からないけど、呼ばれたからちと行ってくるな」
直輝「あぁ」
何故呼び出されたのか疑問に思いつつ、早歩きで生徒指導室に向かう途中に大東とすれ違った
瞬「大東!お前大丈夫か?」と俺は大東を呼びかけた
が、大東は下を向いたまま返事もせず教室に向かって行った
瞬「?ま、まぁ早く行くか」
-生徒指導室-
生徒指導室の扉を開けた・・・
と、同時に狩場のビンタが飛んできた
パチン!!
瞬「く……痛ッ…!」
狩場先生「清峰!!俺の呼び出しを無視して、更に俺を侮辱するとはどういうことだ!!」
瞬「え?」
狩場「大東が言っていたぞ!「清峰は狩場なんて怖くもなんともない口だけの男だから指導なんて受けて
も仕方がないと言って教室に戻りました」とな!!」
瞬「え?え……?」
全てが崩れ去った気がした
狩場が何かを話していたが何も聞こえなかった。
返事をしなかったせいなのか何なのかは分からないが、狩場のビンタがまた飛んできた
俺は何時間そこで説教を受けたか分からない。
もうこんな生活いやだ……
-寮-
相部屋の直輝に向かって俺は唐突にこう言った
瞬「直輝、俺もう学校辞める」
直輝「は?」
瞬「もう何もかも信じられないしこの学校にいるくらいなら死んだ方がましだ」
直輝「そうか。なら俺も辞めてやるよ」と直輝は何も迷わず言った
瞬「え?お前もか?」
直輝「俺はお前を親友だと思ってるからな」
瞬「それは俺もだよ」と笑いながら言った
直輝「それに俺にいい策があるんだ。聞いてくれないか?」
瞬「わかった……」
そして夜は明けていく……






