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あかいうそ


あたしが真っ赤に塗った爪をはじくのを見て、あなたは

「ほんとうに君は昔から赤い色が好きだよね」

と呆れたように言う。


あたしは「まあ」とだけ言って微笑んだ。


先ほどあたしが頼んだコーヒーを持って、注文をとった店員がやってきた。

店員は迷わずあたしの方にコーヒーを置くと、不愛想にごゆっくりどうぞと言って去った。

その後ろ姿に、黄色っぽい茶髪が振り子のように揺れている。


右、左、右、…


その姿が厨房に消えると、湯気が上るコーヒーに向き直り、カップの淵を指でなぞった。

白いカップよりも爪の方がつやつやと光を弾いているのを確かめると、そのまま取っ手に指を置いた。



真っ赤な爪が光る手でのんだコーヒーはとても苦く、思わず目を瞑ってしまう。

あなたはそれを見て、「おいしい?」とあたしに聞いた。


きゅっと唇の右端をあげて「まあね」と言うと、満足そうにあたしのコーヒーより先に来ていた紅茶を口に運ぶ。

その顔を見て、あたしは真っ赤な唇の下に本音を隠す。



ねえ、あなたは知らないでしょう

あたしが赤を嫌いなこと


ねえ、あなたは知らないでしょう

あたしがとっても甘党なこと



ねえ、あたしは知ってるの

あなたがなんにも知らないこと。



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