特進だから部活やめた
掲載日:2026/06/06
本ともう少し早く出会えなかったものか。
通学中、電車の中で僕は本を読む。
本との出会いは、数日前。
だからまだビギナー。
卓球ばかりで、漫画すら読んだことがなかった。
だから、つい最近気付いた。
物語は僕をその世界の住人にしてくれ、嫌な現実を忘れさせてくれる。
小説でも、漫画でも、ライトノベルでも。
しかし、アナウンスで本といったん別れないといけなくなった。
「特進じゃん」「特進だから特別に部活やめた」「最後に降りろよ」
卓球部の先輩たちによるひそひそ話。
…。
別に、やめたくてやめた訳じゃないんだけどなぁ。
1学期の中間テストが悪かったからやめた、それだけなんだけどなぁ。
早く『会長』に会いたい。
「おはよー、新入り君」
学校の玄関、ふわふわした笑顔で『会長』は話しかけてくる。
「本は持ってきた?」
「初めて本買いましたよ」
「そっかそっか。
放課後楽しみだね、こりゃ」
「自由参加じゃないんですか?」
「えー、そうだけどさー」
卓球部をやめ、同好会に入った。
自由参加、本を読みたくなったときに参加する。
テストが悪かったから部活をやめた。
だから勉強を頑張らないといけない。
でも、この同好会の会長が可愛いし、参加場所の元文芸部室の雰囲気が好きだから、つい毎日参加してしまう。
まだ朝だけど今から放課後が楽しみだ。




