12話 道中話
作品の累計PV数が500を超えました!
新規の方、見続けてくれている方、この作品を見てくれている方達に深い感謝を!
ミルディア氏族の村を出てからそこそこ経った。
(クエルタム氏族の村って何処にあるんだ?)
「クエルタムの村は始まりの大樹周辺を囲む様にできていて、大樹を目指せばエルフの子供でも着けますね!」
(へぇ、子供でもねぇ...)
ちょっとクエルタム氏族の本拠地の場所を聞いてみたら、大樹を目指せば子供でも着けると言われた。
それじゃあ、俺も大樹を見つけていればすんなり人に会えていたのだろうか?
段々どういう配置で村ができているのかが気になってくる。
(エルフ族の村ってどう分布してるんだ?)
「エルフ族の村は、始まりの大樹を起点に、大樹周辺をクエルタム氏族、大樹東をレベリエム氏族、大樹西をローディマ氏族、大樹南は私達ミルディア氏族で、大樹北をジェレイム氏族という感じですね!」
(東西南北で綺麗に分布してるのか)
「そうなりますね。ですので、クエルタム大森林における護り手の巡回は出身の村から別の村へと移動する間の瘴気または魔物を発見次第対処となります」
(はえ~、そんな感じなんだ。どのくらいの頻度で?)
「半年に一回程度ですかね、クエルタム大森林の巡回は最低3ヶ月は見積もりますね」
(そりゃ頭に地理も入るな)
ふと、あのミルシャと会った場所の像を思い出す
(ミルシャと会ったあの広場の像はあちこちあったりするのか?)
「ありますね。あそこは、厄災による慰霊の祭祀と世の安寧の祈祷を行う場所で、像は祖クエルタムを象りますね」
(やっぱクエルタムって偉いん?)
「祖クエルタムは、原初の厄災戦争に参加し、当時のエルフを率いた英雄と伝わっています」
(原初の厄災戦争って聞いてもいい?)
「原初の厄災戦争は、この世でホコロビという現象が生まれるきっかけになった出来事ですね。今では神話として言い伝えられています」
(ホコロビが生まれる..?)
「原初の厄災戦争、その発端となったのが〝災神〟と呼ばれる異界の存在ですね」
(そいつは何やったんだ?)
「災神は、その身から溢れる魔力から自分の眷属を生み出し、この世界の何もかもを覆い尽くしてしまおうと侵攻していたと言われています」
(この世界をねぇ...)
「災神が現れてから、世界は徐々に災神の魔力で溢れ、災神とその眷属だけの世界へと向かっていたのですが、諦めていた人類の前に創世の神から神託が降され、この世界に存在する8種族の原初の巫女1人に、異界の存在を滅するための加護を与えたとされています。これが護り手の始まりですね」
(災神に侵食された世界に対して各種族1人ずつは少なくないか?)
「それは神のみぞ知る...と思いますが、諸説ですが、神は全てに平等で公平であり、どんな者であろうと生き残れる機会を与えると言われています」
(へぇ、平等で公平ね)
「たとえ世界を滅ぼす災神であろうと一方的に駆逐される事を避け、人類と災神の生き残りをかけた 戦争にしたんだとか」
(その戦争はどうなったんだ?)
「各種族の加護を受けた巫女達が、巫女をその生命をもって護る〝守護者〟と共に災神へと決戦を仕掛け、戦いの果てに異界へと追放し、異界とこの世界の繋がりを封印したとされています」
(それじゃぁ、ホコロビっていうのは..)
「異界に追放し、この世界と異界の繋がりを封印をしたのですが、完全に断ち切ることはできず、
災神はこの世界にもう一度降臨するために封印を超えて、自分の魔力を流し、魔物を生み、封印の力を持つ護り手を排除しようと干渉する結果がホコロビと言われています」
(そいじゃ、厄災種って奴は必ずやっつけなきゃいけないな)
「そうなりますね。災神の望みを叶えるが為にこの世と異界の繋がりを保ち、災神の魔力...瘴気を溢れさせ、魔物を生み、護り手を排除するための特別な眷属...現在の厄災の元凶ですね」
(今のクエルタム大森林ではそれが起こってるかもなんだよな)
「あくまで可能性ですが」
厄災の事情はかなり詳しく聞けた気がする。
何の情報も無くこの世界に来たが、こうやってミルシャと出会えたのは奇跡としか言えないだろう。
もし、俺の移動する方向が違ければ、二度と出会うことが無かったのかもしれないんだよな...
(なぁ、聞いてもいいか....?)
「何でしょう?」
(ミルシャが生贄になるのにどういった事があったのか..)
「...聞いても面白くないですよ?」
(すまないとは思ってる...だけど、聞いておきたいんだ)
ミルシャはこの世界で初めてできた仲間で、
初めて自分が助けたいと思い、行動した人物だ。
今からそんなミルシャを理不尽に殺そうとしていた奴らの元凶へと対峙しに行くのだ。
そんな奴がどんな悪行を働いたのか、どんな主張をしていたのか、聞いておきたいのもあるが、出会ってから数時間という間柄なのだが、ミルシャの事を詳しく知りたくなっていた。
「わかりました、それでは...話しますね」
(あぁ、頼む)
クエルタム氏族の本陣へ向かう道中、
ミルシャの回想に耳を傾けた。




