4.とりあえずお風呂
教会本部前のゴタゴタも収まり俺はレイさんに部屋まで案内して貰っている。内装も綺麗なもので汚れ一つ無かったが俺が歩いている廊下の両端には跪き祈る人達で埋まっていた。
『あの〜レイさんこの祈ってる人達辞めさせて貰えません?怖いんですけど』
『申し訳御座いません、今日だけ我慢して貰えますか?明日から辞めさせますので』
『ふむ、カブロウ様は祈られるのは苦手か?私は敬われてる感じがして大好きだぞ?』
レイさんに襟首を掴まれ引き摺られながら巫女様は無い胸を張りドヤ顔している。
『巫女様が馬鹿で申し訳御座いませんカブロウ様、後で折檻しておきます』
『レイ!お前はいつも私を虐めて心が傷まんのか!?
私はか弱く美しく巨乳になる予定の16歳の女子だぞ!』
16歳であの胸では期待は薄いだろうけど美人と言う点は認めてあげようと思う。何より長い黒髪って良いよねっ!
『はっ!巫女様が巨乳になるなら普通の子達はおっぱいの化け物になるでしょうね』
『そんな事ないですぅー、女神エロス様が私は巨乳になるって言ってくれましたー』
女神様マジで何やってんの!?子供に期待させる様な事言っちゃ駄目でしょ!?何て考えていたら周りがおかしい事に気付く、時が止まった様に誰も動かなくなっていた。
『何これ?誰も動いてないぞ?おーい!レイさーん!』
俺はレイさんのスカートを捲り下着の確認をするやっぱり俺が被ってるスケスケ下着だった下着を履いてるのに何も隠せていないって凄いよね!すると背後から声を掛けられる。
『歌舞郎君の躊躇わずにそういう事する所は凄いと思うわ』
俺は後ろを振り向くと女神様がいた。
『あれ?女神様何でここに?あとこれは気になっている人がいるかもしれないので確認です』
『気になっている人って貴方でしょ、あとこの聖都にいる女性は全員同じ下着を履いてるわよ?』
なんだと・・・こんな凄い下着を女性は履いているだと・・・度し難いな・・・時間が停められる様になったらチェックしておこう。
『それで女神様はどうしてここに?』
『貴方の心読めるんだけど・・まぁいいわ、来た理由はその下着についてよ』
『これっ!?やっぱり呪われてたりすんのっ!?女神様これ外せませんか?』
『外せないわよ?その子は君の言葉と自分の意志で契約を交わしてるみたいだから神であっても外せない』
『そんなぁ〜って下着の意志って何?この下着生きてんの!?』
俺は恐怖したこの下着はいつか俺の体を奪うんじゃないかと。
『下着が生きてる訳無いじゃない、そんな下着履こうとも思わないわよ。その子は履いてくれない私より躊躇わずに被った貴方の方が良いみたいなのよ、良かったわね!』
おおう、転生時の俺を殴ってやりたい気持ちが溢れてくるのを抑え込み気になっていた事を聞いてみる。
『女神様、パンツスキルって分かります?俺のラノベ知識にもパンツスキル何て知らないんですが』
『いや〜、その事で来たのよ、その子は神に近い力を持ってるのよ、流石裁縫神の最高傑作ね!あとゴブリン倒したのその子よ?ステータス高くても棒切れで倒せる訳無いでしょ』
『じゃあ俺はレベル上がらないの?』
『勿論!まぁ貴方がレベルを上げるより強くなれるのは確実よ?貴方がレベル100になってもステータス変わらないもの』
俺は意識を失いかけた。嘘だろ俺は頑張っても知力がゴブリン以下なのかと
『何言ってるのよ、スライム以下よ?』
『嘘だぁぁぁぁぁぁぁ!!!勉強して大学まで行ったのにぃぃぃぃぃ!』
『そういう訳でその子のレベルを上げて行けば時間も停められるし魔法も自分で作れる様になるかもよ?そろそろ時間ね、じゃあ私帰るからやり過ぎ無い程度に頑張りなさい!じゃあね〜』
女神が消えた途端に皆が動き始めた。巫女様は変な声をあげ腕を組み俺に質問して来た。
『カブロウ様、今女神様がいらっしゃったか?』
『おおっ!流石巫女様!さっきまでここで話をしてたんだよ』
話を聞いていた人達はレイさんも含めまたも動きを止める。
『カブロウ様、今までここに女神様が降臨されていたのですか?』
レイさんは振り返り俺の肩を掴み質問して来る。目が怖いんですけど
『は、はい、皆さんの時を止めて?急に現れて話をしました』
すると周りで祈っていた人達が狂喜乱舞した。俺の恐怖が限界を超えたのでレイさんに急いで部屋に案内して貰う。引き摺られていた巫女様には気の毒だったが致し方無い。
『カブロウ様のお部屋はこちらになります。どうぞ中へ』
レイさんが扉を開け俺は部屋に入るとホテルのスウィートの様な部屋だった。スウィートなんて泊まった事ないけど。
『凄い部屋ですね』
『お気に召しましたか?気に入らないのでしたら別の部屋を用意させますが』
『いえいえ、こんな凄い部屋に泊めて頂けるだけでも感謝しきれませんよ』
『おい!レイ!そろそろ私を解放しろ!巫女をこんな扱い方していいと思っているのか!?』
レイさんは巫女様を無視していたが俺が言うとすんなり解放した。
『ふぅ、感謝するカブロウ様よ、レイ!覚えておけよ!』
巫女様は解放されると捨て台詞を吐きながら部屋から出て行った。俺は風呂に浸かって疲れをとりたかったのでレイさんに尋ねてみた。
『レイさん、お風呂とかってあります?』
『大浴場が有りますので、ご案内致します』
案内された俺は脱衣所で頭装備以外を脱ぎ浴場へ入る。
浴場は大理石の様な物で神殿の様な造りの浴場だった。
俺は桶でお湯を掬い掛け湯をしてお湯に浸かる。
『うあぁぁぁ、生き返るぅぅぅ』
俺は力を抜きお風呂でプカプカと浮かんでいると人が入って来た。俺はまさかと思い振り向くと裸のレイさんがいた。
『うぇえ!?レイさん!?何やってるんですか!?』
レイさんは持っていたタオルで前を隠し淡々と答える。
『カブロウ様のお背中をお流しに参りました』
そんな会話の中、俺は目を血走らせながらレイさんの裸を脳裏に焼き付けていた。