1.とりあえず被る
『ここは何処だ?』
目が覚めると真っ白な空間にいた。壁も天井も無い場所に困惑していると背後から声が掛かる。
『志多木 歌舞郎さんですね?』
振り向くと途轍も無い美人が立っていた。
『は、はい私が歌舞郎ですけど・・・ここは何処でしょうか?』
『貴方は事故に遭い命を落としてしまいました。』
私は知っている、この状況は異世界転生モノのお約束た。この美人さんは女神様でこの神様の世界に転生させてくれるのだろう。
『説明しなくても大丈夫そうですね、貴方は今から転生する事が出来ますがどうしますか?』
『はい!是非お願いします!』
食い気味に返事をする。
『では、転生するにあたり私に出来る事であれば貴方に授けたいと思います。何がよろしいですか?魔法の才能?神剣などもありますよ?』
俺は拳を握り力強く叫んだ。
『女神のパンティーおーくれ!』
『承りました、では転生手続きは終了致します。それでは良い異世界ライフを〜』
そして俺の視界が真っ白になり気が付くと森の中にいた。女神のパンツを握り締めながら。
『おお!これが女神様のパンツ!スッケスケだー!』
パンツを眺めていると紙が目の前に落ちてきた。
拾って見ると女神様からの手紙だった。
[歌舞郎様へ、転生おめでとうございます。転生特典は私の未使用の下着と鑑定スキルと異世界の言葉が理解し話せる様にしましたので異世界での生活を頑張って頂きたく思います。女神エロスより]
俺は未使用のパンツという文字に絶望したが何とか立ち直る。俺は未使用パンツを鑑定して見る事にした。
[名称]
女神エロスのパンツ (未使用)
[頭装備]
全ステータスが最大値になる(歌舞郎専用)
[アイテム説明]
女神エロスの未使用のパンツ・装備者は全てのステータスが最大値になり全ての状態異常を無効化する・歌舞郎専用の神器
『何これ?女神のパンツって何から身を守ってんの?
頭装備か・・・じゃあとりあえず被るか』
俺はパンツを被ると全能感に襲われる。
『おお!これが女神様のパンツの力か・・・はっはっはっ!もう何も怖く無い!』
次に俺は異世界定番のアレを唱える。
『ステータスオープン!』
すると目の前にステータスが表示された。
[名前] 志多木 歌舞郎
[年齢] 20
[種族] 人種
[称号] 異世界から来た変態
[筋力] 1 (+999999)
[体力] 1 (+999999)
[知力] 1 (+999999)
[魔力] 1 (+999999)
[敏捷] 1 (+999999)
[精神] 1 (+999999)
[幸運] 1 (+999999)
[スキル] 鑑定 女神エロスの加護
『あれ?俺弱くね?パンツ取ったらただの雑魚じゃん!一生パンツを被って生きるぞ!』
俺が決意の言葉を口にすると脳内に音声が流れる。
(頭装備を生涯外せなくしました。)
『おや?今不吉なアナウンスが・・・ってマジで外せなくなってる!!!』
俺は被ったパンツを脱ごうとするがズレる事すら無かった。
『はぁはぁ・・・まぁいっか!異世界なんだしパンツ被った人もいるだろ!』
俺は淡い希望を抱きつつ森の中を歩いて行くのだった。
思い付きで書いたものです。更新は完全不定期ですのでご容赦下さい。