5杯目 新しい日常
誤字があったり、文が変なところがあるかもしれませんので、報告をしてくれると嬉しいです。
新しい家には、帰るだけで慣れない道を通るので、少しの時間だったが、いつもと違った景色を楽しめた。
ビルの中に入り、エレベーターに乗る。そして、少し背伸びをしてボタンを押す。
高いところに手が届きづらいというのが、この体のちょっと辛い点だよな。だが、それを補うだけの要素があるので、別に嫌という訳では無い。
◇◇◇◇
自分の部屋の扉の前に立ち、小百合さんに渡された鍵を扉に刺し、開けた。と思ったら既に鍵は開いているみたいだった。
深呼吸をし、少し間をあけてから扉を開けて部屋の中に入る。
「た、ただいま」
返事が来ると思わず、私はいつも通りの少しか細めの声で『ただいま』と言った。すると…
「おかえり!」
予想外のことに、大きな声の返事が来て、抱きしめられた。少し固まっていると、小百合さんは離してくれた。
「疲れただろ?もうすぐご飯の準備ができるから、待っててくれ」
「はい、ありがとうございます」
私は靴を脱ぎ、家に上がる。『おかえり』と言われると、自分の家に帰ってきた感じがして好きだな。
ソファに座りながら、少しソワソワしながらご飯が出来るのを待っていた。
「マリアちゃん出来たよー」
「はーい」
小百合さんの呼び掛けに返事をし、小百合さんの向かい側の椅子に座る。
軽く手を合わせる。
「「いただきます」」
目の前の食事に目を向ける。目の前には、ブラック企業勤めだった俺には見慣れない、ていうかほとんどの人が見慣れないぐらいの上手さで、丁寧に時間をかけて作られた料理の数々があった。
「小百合さんって料理上手なんですね」
「そうかい?」
「社長って教えてもらったので、家政婦とかの人にやってもらってるのかと思ってました」
「ははっ、そう思う人も多いだろうね。私的には、家政婦にやってもらうのは楽でいいんだけど、自分で日頃から作っていた方がこういう時に役立つだろ?」
ニカッと笑った笑顔の眩しさに、つい目を細めそうになる。
「ごちそうさまでした。どれも美味しかったです」
「君が喜んでくれるなら嬉しいよ」
あの美味しさの料理が毎日のように食べれると思うと、楽しみが増えた気分になった。
「ねえマリアちゃん」
「なんですか?」
「寝る場所は別々にあるんだけど、今日は一緒に寝ないかい?記念日ってことで」
唐突な要求に驚いたが、すぐに返事を返した。
「いいですよ。家族になった記念日でもあるし、『マリア』としての誕生日でもありますし」
「じゃあ、私は先に風呂に入ったからゆっくり入っておいで」
「はい」
風呂は風呂で驚きがあった。まず、単純に広かったこと。次に、設備が新しいもので使い方がいまいち分からなかったことだ。だが、これから少しずつ慣れていくだろう。
風呂を出た後は、小百合さんと一緒にテレビを見たりした。この時間は、疲れて会社から戻ってくる時間でいつもはすぐに寝ていたので、目新しいものしかなくて面白かった。
10時過ぎぐらいまでテレビを楽しんだところで、二人とも朝から仕事があるので寝るのことにした。
布団の中に潜り込んで、電気を消す。
ベットの上で、小百合さんは私のことを抱きしめてきた。
「マリアちゃん、君が会社をやめる手続きやマンションから出てく手続きは無事終わったよ」
「ありがとうございます」
「あと、身分証明書も作ったから明日渡すね」
「…はい」
「ふふっ、濃い一日だったからもう眠たくなっちゃったか。おやすみ、マリアちゃん」
「…おやすみなさい」
私は、重くなった瞼を閉じた。本当に今日一日だけでいろんなことがあった。どれだけ大変なことがあっても、時間は止まってくれないし、戻らない。新しく手に入れた人生。しっかりと満喫しながら生きていこう。
◇◇◇◇
「ん〜」
朝起きて、長い伸びをする。昨日教えてもらった洗面所に行き、顔を洗う。会社に勤めていて、忙しい時にも絶対に欠かさなかったルーティーンだ。
リビングに行き、先に起きて朝ごはんを準備している小百合さんに挨拶をする。
「おはようございます」
「おはよう。ちょうど出来上がったから、席に着いて待っててくれ」
「ふあ〜い」
あくび混じりの返事をする。小百合さんは返事にくすっと笑いながらも手際よく準備を終わらせて料理をテーブルに並べた。
私は、こんなに凄い料理にもいつか慣れるのだろうか。きっと当分慣れないだろうな。
「「いただきます」」
まじで遅れてすいません。特に遅れた理由はないのですが、「ぼっち・ざ・ろっく」の最終回面白かったですね。自分はアマプラで見てる勢なのですが、最後にぼっちと喜多ちゃんの成長がよく見られて、とても良かったです。2期をやってくれることを願ってゆっくり待ちます。