猛毒は人の心を殺す2
読み手を選ぶ作品となっておりますので気を付けて。
友千が来るのを待っていた咲叶は、扉を潜る彼女に駆け寄った。
「友千? 話があるんだけど、いいかな?」
「友千も話がある。まだ朝礼に間に合うから体育館裏で話そう? ここで話すのは嫌だから」
「うん」
二人は教室を出て体育館裏に向った。
「やっぱり、友千とコンビを組みたいんだ! だから咲叶の夢を叶えてくれないかな?」
「どうして友千なの?」
「友千の笑顔が見たいから! ずっと隣で!」
咲叶の心臓が、緊張で激しく打つ。
一世一代の告白。
緊張で手足が震える。
俯いて震える手を押さえて、答えを待つ。
友千と笑顔で生きていくためには、なんとしても彼女に納得してもらうしかない。
彼女は、瞑目して黙り首を横に振った。
「友千は咲叶のモノじゃないのよ?」
「その夢に友千はいない!」
「——っ!」
俯いていた咲叶は、口を押えて零れそうになる嗚咽を抑える。
「どう、して?」
喋ろうとしたが、ショックで口元が震えて真面に喋れない。
「友千の人生だから咲叶が決めていいモノでは無いの!」
「でも、頑張るよ? 友千が、お金に不自由しないために、咲叶は、一生懸命努力するよ?」
「お金じゃないの。友千が欲しいのは!」
「何が、欲しいの?」
「自分で選んだ道が欲しいの!」
「選んだ道じゃなくてもさ、後悔はさせないからさ——」
「友千の道は一つしか無いの!」
「でも、叶わないよ? 友千の夢」
「——っ!」
「叶いもしない進学よりもさ? お笑いタレントの方が叶うしさ!」
友千の目から涙が零れ落ちる。
彼女が胸を掴んで手が震えていても、咲叶は続ける。
彼女が苦しんでいるのを知っておきながら、それでも話す。
「叶わない夢を追いかけて叶わなかったら今後人生に何も期待できないよ? 苦しむよりもさ、叶いそうな幸せを手に入れた方が絶対に幸せだよ!?」
「夢をいいように想像することは誰にだって出来る。でも、夢は期待が膨らめば膨らむほど叶わなかったら心が耐える事が出来ないんだよ!?」
「しんどい事よりも楽しい人生を謳歌した方が得なんだよ? 人生は!?」
「苦しんで生きて来た咲叶だから分かるんだ! 期待していたのに期待通りにならなかった苦しみを!?」
「なんで、そんな酷い言葉を言うの?」
目の前の彼女は、足が震えて立つのがやっとだった。
「こうでもしなきゃ、幸せを手に入れる事が出来ないから。孤独に生きていたくないの!?」
「なんで未来も分からないのに一人で生きていくしかないんだって決めつけるの?」
「お母さんに言われた——『お前に誰かと生きていく幸せなどないのだよ』って!」
「——っ! それは違うよ? 勝手に人生を決めつけられるなんておかしいじゃない!」
「じゃあ咲叶は誰かと一緒に幸せになれる可能性でもあるの!? ないじゃない! こんな身体じゃあ!?」
俯いて怒鳴った咲叶の脳内に、お母さんの言葉が駆け巡った。
自身で傷つけた言葉と脳内を支配したお母さんの言葉で、苦しくなった。
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いい明日を!
明日もお空の下で声を弾ませて歩きましょう!




