猛毒
読み手を選ぶ作品ですので気を付けて。
「らっしゃいませー」
学校の近くにあるコンビニに入って、茶髪に染めた気怠そうな店員が、あくびをしながら品物を陳列していた。咲叶は、店員の後ろを通り過ぎ菓子パンコーナーに向かう。
財布の小銭入れには五百円しか入っていない。
「こんなお金で買えるパンなんて限られているよ? お母さん」
包装袋にフランスパンを抱えた女性が描かれたたっぷりチョコクリームパンと、本数が九本も入っている本数がどのコンビニよりも多いチョコチップスティックパンをレジに持って行く咲叶に、気怠そうにした店員がレジに向かう。
「ください・・・・・・」
気怠そうにレジ打ちする店員は、咲叶に目を合わさずに、
「118円が一点、207円が一点、合計325円です」
財布から五〇〇円を取り出して釣銭受けに置いて支払う。
「お釣りは175円です」
「ありがとうございましたー」
「ありがとうございます」
コンビニを出て、お釣りの一〇円玉を空に翳して、「五〇〇円が予算とか、育ちざかりに厳しいな・・・・・・」と十円玉を財布にしまい、「ジュース買うか」
コンビニの近くに一本一〇〇円で売っている自販機の前に立ち、一〇〇円を自販機に入れて身体に悪そうな蛍光色の炭酸飲料を購入した。
通学路を歩いていると将功高校の学生が、話しながら校門を潜って玄関に向かう。
朝もお母さんと口喧嘩した。
靴を下駄箱に入れて上履きに履き替える。
『お前に誰かと生きていく幸せなどないのだよ!』
『選ぶべき道はお前の望みを否定した不幸な道を歩む事なんだよ!』
『お母さんが正しいんだ。お前はお母さんが決めた不幸な人生を歩めばいい!』
『レールはお母さんが敷いてやるからな? お前を幸せにさせない!』
『誰かと生きていく人生にはさせない!』
永遠にループするお母さんの言葉を、今日も変わりなく心を傷つける。
生まれた環境が不味かったとしか言えないだろう、と咲叶は激しく打つ心臓に苦悶の表情を浮かべて胸を掴み、学校の門を潜る。
幸せを望んで生きていこう、と子供ながら幸せを描いて、お母さんは期待通りの優しい言葉を言ってくれると信じて、『咲叶は幸せになっていいんだよね?』と聞くと返ってきた言葉が私の幸せを否定する酷い言葉だった。
いま思えば、虐待だった。
精神攻撃を当たり前に行ってきた彼女の所為で、私は目付きが変わり殺意を込めた言葉を毎日浴びせた。
彼女は、なぜそのような言葉を私に向けたのか?
毒の言葉を浴びせ合い彼女は、私の心を縛り次第に心にひびが入り始めて壊れてしまった。
この身体では、幸せを掴むことなどできない。
そう考えるようになり、食に走り見事に太ってしまった。
だが、友千に出会い、彼女を笑顔にしたいと考えて筋トレやウォーキングお笑いの勉強などをして痩せていき引き締まった身体になった。
ここまでの努力で得た力に、夢を見てしまった。
このお笑いの能力があれば胸を張って生きていける、彼女と元気のないお客さんの笑顔を見る事が出来る。
ずっと彼女の隣で。
お笑いの実力が上がるたびに、幸せを感じて期待も膨らむ。
咲叶も夢を見てもいいんだ。
誰かと一緒になる夢は諦めても、彼女が隣にいる幸せは手に入る。
掴みたかったのは、そんな幸せだった。
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