漬物と白米
綱束家の献立。朝、昼、晩、白米と漬物。
すると玄関から、
「ただいまー! 友ちゃん? ちょっと手伝ってー!」
「うん・・・・・・。分かった陽。明日聞いてみるね? ありがとう!」
「まだー? 友ちゃーん!」
「いま行くー! じゃあ行ってくる!」
「頑張れー!」
玄関に向かうと友千に瓜二つの女性が、荷物を重そうに持っていた。
「お母さん買い物? 陽を一人にしちゃいけないでしょう? 何していたの?」
「庭で近所の中田さんと目が合ってね? 晩御飯を多く作り過ぎたらしくてお裾分けしてもらったのよー! それとこれ! 漬物も貰っちゃってね? 助かるわー!」
玄関にビニール袋がたくさん置かれていて、一袋二キロはあるだろう漬物が、ビニール袋に直接入れられていた。
「これで晩御飯の一品手抜きが出来る! 助かるわー!」
「ビニール袋に漬物直接入れるものなの?」
「知らん! 食えたらいい! 腹を壊さなきゃいいのよ!」
「腹を壊す事ないわよ~。壊したら病院に連れてってあ・げ・る!」
「腹を壊す前提で飯を食わすな! 家事をしろ!」
お母さんは外面がいいので人に愛される。
お父さんは、彼女のどこに惚れたのか?
お母さんが大阪のおばちゃん化しても彼の視界に写る彼女は、どこぞのお姫様らしく、
『時を経ても若かりし頃よりも更に美しくなった! 姫よ! ああ。なんて美しいんだ! 目の輝き髪の艶! どれをとってもそこらへんに歩いている女もどきとは違う美しさを放っている!』とお父さんがお母さんと台所でいちゃつく姿は、まさに地獄。
精神衛生上に悪い光景を毎日見る。でも、仲のいい夫婦なので目をつぶるしかない。
子に健康被害を与えてどうするんだろうか? この両親は?
「たくさん漬物もらっちゃったから重いから持って!」
「助かるわーじゃないわよ! なんでこんなにもらうのよ? 冷蔵庫に入るの?」
「そのときは冷凍保存しておけばいい!」
「漬物って冷凍庫に入れていいの?」
「知らん! チンしたらいいのよ!」
「漬物を冷凍保存して解凍するのに電子レンジに入れるって言っている奴初めて見た」
「ツッコミを入れていないで友ちゃん早く冷凍庫に!」
「なんでこんな重たいのを持ってくるのよ!?」
「か弱いお姫様のアタシの腕に筋肉がついたらどうすんのよねー? 中田さん」
「お姫様と呼べる歳か!?」
ビニール袋を持ち上げると、漬物の重みで袋の底が膨らみ、破けるのではないかと心配する。
「嬉しい誤算が家計簿に! 今月は漬物だけで過ごせそうね? 一か月漬物生活よ! 漬物の料理ってあるかしら? この白菜の浅漬けを炒め物にするとか? うーん。漬物で創作料理は初めてなのよねー!」
お母さんが顎に手を添えて思案する。
「嫌よ! そんな食べ物が並ぶ食卓! というか重い! この量漬物樽いるんじゃないの?」
「腐る前に胃に入れる!」
「嫌よ! 朝昼晩漬物だけの食卓なんて!」
「白米何杯もイケるうううぅ!」
「おかずおかずうううぅ!」
「漬物に始まり漬物で終わる! これから家計を支えるのは中田さんから頂いた漬物! 白米何杯もイケるわー!」
「おい。家事しろ!」
近所の奥さん方が、綱束家の事情を知っているのでお裾分けをあげるようになりお母さんは、ハイエナの如くお裾分けを狙うようになった。
これのどこがお姫様だろうか?
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ほな。さいなら~!




