苛立ち
陽太の登場シーン
「なんで、なんで分からないの!? 咲叶は!?」
自宅に帰っても咲叶に苛立つ。
何が『反省したよ』よ? 分かっていないじゃない!
ワタシの人生をなんだと思っているの!? 咲叶の人生じゃないでしょう! ワタシの人生はワタシのモノなのよ!?
苛立ちを抑える手段がない。
苛立ちで心臓が早く打つのを感じる。
足を進める速さがいつもと違う。
足音も違ってくる。
少し、五月蠅いかも、と足音を静かにして歩く。
ワタシの部屋の隣に部屋があり、音を立てずに扉を開ける。
「お帰り! 友姉ちゃん!」
医療用のベッドに座り本を読んでいた男子が、ワタシに笑顔で迎える。
背の高い本棚は倒れてきたら危険なので、処分して代わりに押し入れを収納スペースに設けていた。
弟の綱束陽太
彼の髪は、青い短髪で中性的な顔立ちに瞳は黒。
彼は、筋ジストロフィーだが、初期なので見た目深刻には見えないが、今後は、いまよりも酷くなっていく。
最初は、彼がよく転ぶので、おかしいな、と思っていたが、医者から病名を聞き、動けている状態のうちから、車椅子で生活できるように家の改修など生活環境の調整を行って家族一丸となって彼を支えていた。
「友姉ちゃん? どうしたの? 機嫌悪いの? 咲さんと何か遭った?」
陽太は、ワタシの顔を心配そうに覗き込む。
表情で、咲叶と口喧嘩したと見抜いてしまう。彼の才能ともいえる。
人の事を気遣う彼らしい才能。
彼女は、ワタシの心配よりも、自分の心配をして仲直りしようとした。
陽太の爪の垢を煎じて飲ませないといけないぐらいに、咲叶に見習ってほしかった。
気遣いの無い馬鹿女。
ワタシが泣いたのに心配せずに、自分の保身を考える彼女に腸が煮えくり返る。
彼女が、ワタシに酷いことをしたくせに謝りもしない。
「なんか遭ったんだね? 友姉ちゃん? 今度は何?」
「それは、言えないよ・・・・・・」
「うーん。言えないかー! でもさ? 言えないと後で後悔するよ? 晩御飯美味しく食べたいでしょう?」
「それでも言えない」
「今回はどちらが悪かったの?」
「咲叶・・・・・・」
「だったらなんで友姉ちゃんを怒らせたのか話し合わないといけないよ? 友姉ちゃんが怒った理由を考えて欲しいのは分かるけど、咲さんがなぜ友姉ちゃんを怒らせる事をしたのか理由があるはずだよ? 特に咲さんは一人で悩むことが多いし」
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いい夜を!
いい明日を!
寝るときは無になり眠る事。
楽しかった一日でも興奮して眠れませんので。
ほな。さいなら~!




