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キミが空を飛ぶならば!  作者: 白桜有歩
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彼女の背中を見ておきながら17

読む人を選ぶシーンがありますので注意を。

 疲れた身体で帰宅した咲叶は、リビングにいる女性を睨みつけて溜息を吐く。


『あら? 帰って来たの? 帰って来なくていいのよ? お前は一生ね?』


『帰るしか無いのよ? ゴミが家にいたとしてもね? ホント毎日お前の顔を見る度に吐き気がするわ? ねえ? お母さん』


『——っ! お前な!? お前を育ててやってんのにその態度は何!?』


 激昂した彼女は、雑誌を咲叶に投げつけた。


『お前に育てられているとか近所の笑いものだわ? 死にたくなるわ!』


『お前は一生孤独に生きなさい!?』


『お前に幸せになる権利はない!?』


『夢も叶えるな!? 死ね!?』


『残念だわ? こんな毒親の子供だったとはね? お前が死ねよ! 一族の恥さらし者! 就寝中気を付けろよ? このクズが!』


 互いに一歩も引かないで睨み合い、いつ殺し合ってもおかしくない。


 私と顔が似ているお母さんを、目で殺すかのように睨みながら自室に向かう。


 咲叶を追い込んだ原因の一人のお母さんは、いつも汚い言葉を私に歌を歌うかのようにやめることなく浴びせた。


『実の娘に浴びせる言葉なのだろうか?』と友達がお母さんを『ヤバい人』というぐらいに普通じゃない家だと認識していたらしい。


 毎日、疲れた、と言って成長期の子供に、ありがたいと思え、と言わんばかりの態度で、スーパーの総菜を食卓に並べ私たちに食べさせて、妹と弟はそれが原因でテーブルの席に付かなくなった。


 互いにいがみ合い、いつの間にか汚い言葉を吐くようになった。


 猛毒を吐き浴びせて傷つけ合う。


 まるで、私は醜い感情を持った化け物だ。そして、そんなお母さんも醜い感情を持った化け物だ。


 毒蛇みたいに、しつこく追いかけるような恐ろしさを持った私とお母さんは、互いに呪い合い、首を締め付け合って地獄に落ちるような、人が持ってはいけない感情を持った。

憎んだ相手をしつこく追いかける恐ろしい化け物の二人は苦しめ合った。

咲叶自身でも醜いと感じていた。


 私は永遠にお母さんを恨んで、底知れぬ闇の中に落ちていく。人という形を失いながらも。『咲叶は死んでしまえばいい』と汚い言葉を毒として心に溜めこみ、彼女は私の心を壊すために、毒蛇みたいに汚い言葉を吐いて心を縛り付ける。


 縛り付け合う毒蛇は、互いの心に毒を流す。


 腐敗した心は、さらに毒を作る。


 言葉は、人を死に至らしめる猛毒。


 人間が武器を作る前に人類が持ったのは、心を、命を殺す言葉。


 ネットでもよく見られるひとりの人間を殺す言葉は、最新の兵器より人間が吐く言葉の方が一番効果はある。


 たった一人を死に至らしめる進化を果たせなかった人間たちは、人を平気で殺そうとする。


 一切の罪を感じずに、平然とネットで騒ぐ猿そのもの。


 死ねと返せば嫌になるのに、頭にウジ虫が沸いた脳で考えを述べている姿には、深刻な病としか言えない。


 害虫そのもの。


 お母さんもそいつらと変わらない。


 人一人を殺す病原菌ともいえる。


 菌をばらまく姿は、進化を果たせなかった猿そのものだったりもするが。


 進化を果たせずに退化をした生き物。


 菌でも進化を果たしたのに哀れな生き物だわ。


 退化の象徴ならまさにこいつだろう、と鼻で笑う咲叶が嫌になるが、そう思わなければ壊れるのは私自身だ。


 壊して壊される。


 殺そうと飛びかかり食いつかれる。


 汚い言葉を浴びせあい、心を殺し合う。


 まるで、毒蛇の牙で殺し合っているみたいだ。


 刺したな?


 ああ。刺してやったよ? それが?


 じゃあ刺すからな? 覚悟しろよ?


 二人の目は、そう告げていた。


 刺すから刺す。


 猛毒で溢れる心で、汚い言葉を浴びせ合う。


 心に軋む音が聞こえても、無表情で猛毒を心に刺す。


 関係の修復は不可能だった。


 自室に入り、扉に背を預けてズルズルとしゃがんでうずくまる。


『孤独に生きたくない!? なんで咲叶に酷い言葉を言うの!? お母さん!』


 彼女の言葉が頭の中でループする。


 咲叶の人生で背負いこむのは孤独の二文字。


 重たく冷たい孤独の二文字は私がもっとも恐れている現実。


 背中を丸くして涙を零す私は、お母さんを呪った。


『痛みを感じ無いわけ無いでしょ!? お母さん・・・・・・!? どうして、どうして、お母さん? 苦しいよぉ・・・・・・!?』




朝に、『キミが空を飛ぶならば!』を読んでくれてありがとうございます! そして、おはようございます!


昼に、『キミが空を飛ぶならば!』を読んでくれてありがとうございます! そして、こんにちわ!


夜に、『キミが空を飛ぶならば!』を読んでくれてありがとうございます! そして、こんばんわ!


寝る前に、『キミが空を飛ぶならば!』を読んでくれてありがとうございます! そして、お休みなさい! 良い眠りを! いい明日を!


では、さいなら~!

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