〜夢主VS元夢小説作者〜
昔の私はいわゆる夢女子だった。
夢女子とは、アニメや漫画のキャラクターや、実在の人物に恋をする女子を指す。
趣味で夢小説を書き、それをサイトにアップし他の夢女子と話す…そんな日常が続いていた。
夢小説を書いてるのが飽きてきた時、次は公式カプの小説を書くのにハマった。
いわゆる一般の人が想像する…二次創作というもの。
いや、夢小説は二次創作の類になるのだが、私としては夢小説と”それ”は違いがあると思ってる。
夢小説は漫画やアニメのキャラと、作者の理想とする夢主と結ばれる。
一方、一般の人がよく想像する二次創作は、公式のカプの小説
を書くことが多い。
夢小説の存在を否定する訳ではないが、私の経験だと夢小説の多くは夢主に苛つき読むのを辞めてしまう。
そんな事を言っている私は、先程も言っていた通り夢小説を書いていた。
…あくまで過去形である。
そう、私は大人になっていくにつれ、夢小説というものを書かなくなり、よほどの良作とオススメされた時以外は読まない。
私が書いていたそれは、よくある夢小説のテンプレのような、内容がうっすいものだ。
私が書いていた夢小説お決まりのセリフ『ふぇ?』という言葉を見るだけで、一気に吐き気が襲ってくる。
なんなんだ、その一言は。
お前は天然を装ったぶりっ子か。
そんな私は…元夢小説作者としての経験を生かし、公式カプの二次創作…小説を書いていた。
あぁ…なんて素晴らしい響きなの…この二次創作という言葉は。
キャラ崩壊をさせずに、いかに公式のように描くかどうかを試される。
公式カプは誰も不幸にならない。
夢小説と違って、そのお相手に恋人がいた場合の不幸になるキャラがいない。
いや、夢小説も描き方によっては素晴らしいが…。
不幸にならないのが何より良い点だ。
そんな二次創作を愛す私が…よりによってこんな世界に転生するなんて…!!
自分の夢小説の世界に転生するなんて…ありえない!!
「なんでこうなるのよ〜!!!」