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第1話 ログノート
私に始まりの記憶はないけれど
いつも毎日が幸せ
身の回りの世界は
とにかく 優しくて 温かくて
窓の外に満ちているひだまりが
そっと 部屋の中に 明り運んでくるたびに
心があたたかくなる
あとすこし もうすこし
季節が移り替わったら
誕生日 特別な日が
巡ってくるね 楽しみだな
「私が主役。いつも主役だけど。特別よりも特別が嬉しい」
残された時間が 長くない事
知ってるけれど
皆が 何も言わないから
知らない ふりしてる
無邪気よそおって笑うの
今日も 明日も幸せそうに
満ちたりた世界 この手のひらに溢れてく
思い出のアルバム いっぱい
「ストーリー」
その王国の中で、少女は病弱だった。
だが、どうしてそうなったのか記憶はない。
気が付いた時にはすでにそう。
ただ、優しい世界がみのまわりにあったのだ。
それは優しい国をとりまく、偽りの物語。