第三十七話 楓ちゃん、お仕置きされる
楓視点です。
この話を書いてて悶絶しました。
時系列にとんでもないミスがあったので、その日のうちにお仕置きさせる展開へと修正しました。
あやくんがお化粧と女装を解いてから、おうちに帰りました。
「......」
「あの、あやくん?」
いつもと違い、ちょっとあやくんが不機嫌そうでした。その理由は帰宅後にわかりました。
いつもの私服に着替えたわたしに、あやくんはニッコリ笑って告げたのです。
「それにしても、かえちゃんがまさか不良の道に走ってるとは思わなかったよ」
「はぅぅ!」
「そんな悪い子にはお仕置きだよ。逃げないでね?」
もちろん、わたしに拒否権はありませんでした。どんなお仕置きが待っているのかとても不安でしたが、お仕置きすると告げたあとのあやくんはいつも通りでした。
「かえちゃん、そんな身構えなくていいよ。本気で悪い子になったなんて思ってないし、靴下そのものに罪はないってわかってるから」
「はぅぅ? でしたらどうしてお仕置きを?」
「悪い子が履くものって知ってたならかえちゃん自身に言って欲しかったし、それでも愛用してる理由があるなら話して欲しかったから」
つまり、わたしが理由を話していればお仕置きはなかったということですね。
「その、ただ可愛かったというのと、るーずそっくすって長いので身長がこれくらい伸びたらいいなって願掛けもあります」
「ちゃんと言えてないよ、かえちゃん。そういうところ可愛いんだけどね。でもお仕置きはするからね。ただ酷いことじゃないから安心してね」
「はぅぅ」
その後ですが特に変わらず、お仕置きのことなど無かったかのように接してくださいましたが、夕ご飯を食べたあと突然あやくんは言いました。
「かえちゃん、お仕置きするから、かえちゃんのお部屋から取ってきて欲しいものがあるんだ」
「は、はぅぅ?」
指示されたものを持って戻りましたが、ハイソックスとニーソックスなんて、なんのお仕置きに使うのでしょうか?
「持ってきたね。ほら、ここに座って」
そう言いながら自らの膝を叩いているあやくん。あの、まさかあやくんのお膝の上に座るのですか!?
(そういえばあやくんのお仕置きって、実質ご褒美でした!)
これまでされたお仕置きすべて、恥ずかしいですがされて嬉しいものでした。今回のお仕置きも多分そうだと思いますが、恥ずかしさのレベルが違います。
(はぅぅ///)
あやくんのお膝に座るということは、後ろから抱きしめられるのと同じことになります。それが理解できたわたしは、恥ずかしさのあまり一歩も動けなくなりました。
見かねたあやくんが、立ったまま動けないわたしを後ろから抱きしめ――。
「じゃあお仕置きするから、大人しくしててね」
気付けばあやくんのお膝の上で、わたしは体育座りの格好で座っていました。
「はぅぅ///」
「かえちゃん、今からどういったお仕置きをするか説明するね」
お仕置きの説明が始まりました。結論から言うと、あやくんがわたしの靴下を脱がせたり履かせたりするというものでした。
言葉にすると大したことないと思うかもしれませんが、実際に体験するととてもとても恥ずかしかったです。
あやくんはまず、わたしを後ろから抱きしめるような体勢のまま、ルーズソックスをするりと脱がしました。
「かえちゃんの足って小さくて細いね」
「はぅぅ......」
「まずはハイソックスからだよ」
そう言いながらわたしの足に白いハイソックスを履かせます。
(あやくんの手が、わたしの足に触れ!? それに後ろからもあやくんの体温が!?)
座っている人に靴下を履かせるという行為は自然と密着度合いが高まるようで、僅か数秒の間とはいえあやくんから抱きしめられたことに、わたしは幸せをかみしめていました。
(すごくどきどきしましたけど、しあわせです///)
一方、あやくんはしきりに首を傾げていました。
「いくら幼馴染相手でも靴下を脱がしたり履かせたりされたら、普通もっと抵抗したり嫌がったりするはずなのに、かえちゃんはなんで無抵抗でしかもこんなゆるんだ顔をしてるんだろう?」
それは、わたしがあやくんのこと大好きだからです。と言えればよかったのですが、あやくんがわたしをどう思っているのかわからないので言えません。
(フラれたら幼馴染にも戻れなくなりますし、こういうお仕置きもしてくださらなくはぅぅ!?)
暗いことを考えていたわたしでしたが、あやくんがハイソックスを脱がせたことで強制的に考えが中断させられました。
ゴムがキツい分、脱がすときはルーズソックスよりも触れる機会が多いみたいです。
次は白いニーソックスです。先程のハイソックスですらああいったことになったので、わたしは身構えながらお仕置きに臨みました。
いつの間にかわたしの足はニーソックスに包まれていました。またわたしは気絶していたみたいです。
「かえちゃん、大丈夫!?」
「はぅぅ、大丈夫です」
「ごめんね。気付いたらかえちゃんが動かなくなってたから、何かあったかと心配で」
あやくんもわたしが気絶していたことに気付くのが遅れていたみたいでした。確かに、必死になって履かせていましたし。
(あやくん、可愛いです)
ニーソックスくらい長いと、一度で足を通すことが出来ないので履かせるとなるととても苦戦するようです。それは脱がすときも同じでした。
「かえちゃん、太ももに触るけどいい?」
「はい......そうしないと脱がせられませんから」
「行くよ!」
「はぅぅぅぅ!」
あやくんはニーソックスに両手をかけ、一気に脱がせました。強く抱きしめられるように密着しましたが、ためらうとその分わたしの太ももに触れる回数が増えるからでしょう。
わたしの両足を素足にした後、あやくんが真っ赤なお顔で宣言しました。
「このお仕置きはいろんな意味で危険すぎるから封印しよう!」
「そ、そうですね!」
わたしもあやくんも恥ずかしすぎて身が持ちません。ただ、あやくんの次の一言でわたしは固まりました。
「ああでも中途半端だから、ルーズソックス履かせるお仕置きはいつかするからね。意図的に話してないことがあったら、やるからね」
一つ思い当たる物はありましたがあやくん、それって過去のあやくんとの約束だったとしても駄目ですかなんて、怖くて聞けませんでした。
お読みいただきありがとうございます。
彩芽もそうですが、楓もヘタレです。