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第十五話 楓ちゃん、旅行の準備をする

楓視点です。

 学校から帰って来てお昼を食べたわたし達は、あやくんの実家に帰省するための準備をしていました。


「さてかえちゃん。実家に戻る前にいくつかやっておかないといけないことがあるから、一つずつしていこう」

「はい。なにからしましょう?」

「まずは宿題を通学鞄の中に入れておこう。間違っても旅行の荷物に紛れないように」

「わかりました。一つずつ入れていきましょう」


 あやくんと二人で、それぞれの通学鞄に宿題のプリントや問題集を入れます。間違いなく全部入ったことを確認し、次の作業に移ります。


「次は着替えを三日分くらい用意して、キャリーバッグの方に収納しよう」

「あの、林間学校で使ったアメニティグッズもこちらに入れましょう。せっかく買ったのですから」

「そうだね」


 お着替えとアメニティグッズだけでは、少々スペースが余ってしまいました。夏服なのも理由でしょうけど、ちょっとバッグが大きすぎましたね。そこで、あやくんから提案がありました。


「かえちゃんの服、一部僕の荷物に入れていい? このままだと中途半端過ぎるから」

「あの、女装用のウィッグとか入れてはどうでしょう?」

「それ入れても足りないんだよ」

「でしたら、服とこちらを」


 一日分の服とアメニティグッズをお渡しして、余ったスペースに靴下を入れられるだけ入れました。これだけ持っていけば足りますね。


「これでいいね。というかかえちゃん、どれだけニーソとルーズ入れてるの?」

「その、秘密です」

「まあいいけど。デート中ニーソ以外のかえちゃんには違和感あるし、家でルーズ履いてないかえちゃんも想像できないから」

「わたしのトレードマークですから♪」

「なんでそんなに楽しそうに答えるかな。とりあえず、荷物はこれでいいね。あとは持ち運ぶ小物があるならリュックに入れよう。例えば暇潰しの本とか」


 確かに、長い電車の旅ですからそういうのは必要ですね。あと仮眠を取るためにアイマスクも持っていきましょう。それにあやくんは彫刻刀も必要ですよね?


「実家にあるけど、予備として今まで使ってたのを入れておこうか。ついでに木材もいくつか、一緒に袋に包んで」

「他に、なにが必要でしょう?」

「財布とか貴重品くらいかな? そうそう、携帯は出るまでにフル充電しておかないとね」


 そうでした。あやくんの寝顔や窓から見える景色を撮ったりするのに使いますので、忘れないうちにやっておきましょう。


「そういえば、お昼はどうします?」

「電車の中で車内販売してるから買えるよ。それとも駅に寄って駅弁でも買う?」

「あまり慌ただしいのもなんですし、車内販売の方にします」


 駅で買おうとすると、多分乗り過ごしちゃいそうですから。それにわたしは乗り物酔いしますので、あまり食べると大変なことになるんです。


「そっか。それなら薬も持っていこう」

「ありがとうございます。必要なものは大体このくらいでしょうか?」

「うん。あとは指輪だね。当日は着けていくつもりだけど、お風呂とかで外したときになくしたら困るから、指輪ケースも持っていこう」

「わかりました♪」

「さてと、じゃあ荷物をもう一度確認して、終わったらまとめて置いておこう」


 もう一度確認して、旅行の荷物をダイニングの隅に置きます。こうしておけば、忘れることもないでしょう。準備も終わりましたし、あとは家のことをしましょう。


「次は、お洗濯とお掃除のどちらをしましょう?」

「掃除にしよう。洗濯は明日の早朝でいいと思うよ。林間学校のときみたいに部屋干しして、帰ったら取り込んでって具合に」

「そうですね。それでは始めましょうか」


 二人で、いつも以上に丁寧に家の中を掃除しました。途中であることに気付いたので、あやくんに助言を求めました。


「あやくん、集めたゴミはどうしましょう? 明日ゴミの日じゃないですよ?」

「袋を二重か三重にしてポリバケツに入れるしかないよ。物置の中に片付けておけばいない間天気が荒れても飛ばないだろうし」

「片付けたの覚えておかないと、生ゴミとかすごい臭いになりますよねそれ」


 帰る日の予定に、ゴミ箱は物置の中にあると書き加えておきましょう。帰り次第捨てるとも。予定では、こちらに戻る日の翌日が燃えるゴミの日ですし。


「そうだね。とりあえずゴミ出しとそのあとの殺菌と消毒は言い出しっぺの僕がしておく。でも代わりにその日の掃除はかえちゃんがやってね」

「わかりました。ついでにお風呂も準備しておきますね」

「暑いだろうから水風呂でね。そうだ、生ゴミで思い出したけど、食材使い切れそう?」

「どうにか大丈夫です。ただ、晩ご飯で使い切りますので明日の朝ごはんが寂しいものになりますけど」


 お野菜やお肉とかはともかく、まさかお米まで消費し切るとは思いませんでした。これで残る食べ物はインスタントのものだけです。


「別にいいよ。早朝に片付けるものが増える方が辛いし。さあ、あともうひと頑張りしちゃおうか」

「はい」


 お掃除を終わらせて、夕ご飯に雑炊を食べそのあとお風呂に入り、お父さんとお母さんに明日からあやくんの実家に行くことを伝え、早めに床に就きました。あやくんとの遠出をわたしは心から楽しみたいみたいで、気付けば熟睡していました。

お読みいただき、ありがとうございます。


活動報告にも書きましたが、ストックが切れたので目処が立つまで更新をストップします。再開する際も報告しますので、しばらくお待ちください。

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