4話
待て待て、さりげなくワープしたけど
リンってワープも出来るのかよ
リンの能力ってホント万能すぎだろ
「よし、作戦会議でもしよっか」
リンは目を輝かせている。
やっぱり、このぐらいの年頃の子は作戦を考えるのが好きなんだろうな
ただ、作戦の次元が普通に比べてあまりにも違いすぎるが
「とりあえず、ローの能力を封じる方法はないのか?」
「うーん、ローを殺すしかないと思うな」
「その為にはあの弱っちそうなサラリーマン殺さなくちゃダメだけど」
「殺すのはダメだ。殺す以外ではないのか?」
「うーんとね…」
リンは考える動作をした。
そして、
「思いつかないっ」
笑顔で答えた。
「んじゃー、味方につける方法はないのか?」
「私たちパートナーは基本、生存者を殺すためだけに動くからそれは無理かな」
「やっぱりそうか…」
くそっ、やっぱり殺しあうしか選択肢はないのかよ…
「あっ!でも一つ方法があるよ」
え?
「主がパートナーに向かってテルにいには手を出すなって命令するの!」
「私たちは主の命令は絶対従うからね」
「あ、主ってのはパートナーがついてる人のことね」
「え?じゃー、店内にいる15人全員がパートナーに向かってそう命令したらいいんじゃないか?」
「そう上手くいかないと思うよ。さすがに主催者もそうならないよう人選はしてると思うから」
「つまり生存者の中にも好戦的な人はいる可能性はあるね」
「なんだよそれ。このショッピングモールの中にそんな危ない思考のやつがいるのかよ」
「あくまで可能性の話だよっ。もしかしたら全員手を組んで勝負にならないってこともあるかもね」
リンが話し終えたあと、突如放送が鳴った。
キンコンカンコーン
「ゲーム開始から30分が経過しました。」
「現在の生存者は15人です。」
「皆さま、パートナーに質問等してルールを大体把握出来てきたと思います。」
「慣れてきたところで、今から二つのルールを追加します。」
「一つ目は、生き残った最後の一人の願いを一つ叶えます。」
「どんな願いでも私たちは叶えれます。例えば、金持ちになりたい、不死身になりたい。神になりたい。なんでも大丈夫です。」
「そして、もう一つの追加ルールはパートナーを殺せるようにします。」
「今までは、パートナーは不死身でしたがそれは無くなります。」
「今まで通り主が死んだ場合ももちろんパートナーは死にます。」
「では皆様、最後の1人目指して頑張って下さい。」
キンコンカンコン
「なるほどね。」
「今回の追加ルール。これで今まで戦う気がなかった人、逃げてた人の考えが一気に変わるだろうね」
「そんなわけないだろっ!いくらなんでも自分の願いの為に人を殺したりなんかしない」
「人って罪深い生き物だからねぇ」
9歳で何、人を知ったつもりでいるんだ。
俺はお前の2倍は生きてるんだ。
どんなことがあっても人は殺しをしない!
絶対にだっ!
俺が憤怒してるその時
コツコツコツ
誰かがトイレの中に入ってくる音が聞こえた。
やばい!人が入ってきやがった!
あれ?この個室、カギ閉めたっけ?
恐る恐るカギの方を見る。
やばい、閉まってない…
開けられたらお終いじゃないか!
俺はただ開けられないことを願った。
足音は一つまた一つ近付いてくる。