3話
「だいじょうぶだって」
リンは走りながらそう答える。
いやいや全然大丈夫じゃないって。
あの炎、多分100度は軽く越えてるだろ
エスカレーターの流れる取っ手が炎に近づくとドロドロに溶けてるよ!
そんなこんなでもう火は目前。熱さがすごい伝わってくる。
うん、これはもう死んだな。
俺は目を瞑って死を覚悟した。
「能力発動っ!水神憑依っ!」
リンが叫ぶ。
するとさっきまで感じてた熱い感じが消えた。
俺は思わず目を開けた。
なんと、目を開けたら火が消えていた。
「リン、あれどうやって消したんだよ」
「私の能力で消したんだよ!テルにいっ」
「私の能力は神憑依」
「神を呼び出して私の体か所有物に憑依させる能力だよ」
「そして、憑依されたらその神の加護を受けることが出来るんだよ。」
「おい、憑依ってなんだよ?」
こいつ、ホントに9歳かよ…
難しい言葉知りすぎじゃね?
「憑依っていうのは何かが体に取り憑くっていう意味だよ」
「ふーん、そんな意味なんだ。むずい言葉知ってんな」
つまり、さっきは水神を自分に取り憑かせて水を出したんだな。
「僕の能力にかかったら鼻くそみたいなもんだなけどなっ!」
エスカレーターから少し離れてローが嘲笑いながら喋る。
「僕の能力は忍術!」
「ありとあらゆる忍術を使うことができる能力!」
つまりなんだ、でかいカエル出したり消えることも出来るのか。
「さぁ、僕も本気出すよ」
やばいこいつが本気出したら何されるかわからん。
「ここは一旦逃げて戦略を立てよう!リン!」
「私は戦いたいんだけど…。テルにいがそう言うんなら従うよ。」
「能力発動!空間神憑依っ!」
シュンッ
次の瞬間、俺たちはトイレの個室の中にいた。