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2話

「ローって奴とはどんな関係だったんだよ?少なくとも顔見知りだろ?」


俺は死体から遠ざかりながら話した。

気持ち悪さを忘れたい一心で何でもいいから適当に話したい気分なのだ。


「私とテルにいはパートナーだもんね。聞かれたことは私の知りうる範囲でならなんでも答えるよっ!」

「私とローは幼馴染。それ以上でもそれ以下でもないよ」


リンはニコニコしながら答える。が、表情とは裏腹に辺りをキチンと警戒している。


「え、でもここであったが100年目とか言ってたじゃん」


「それは決まり台詞ってやつだからだと思うな」

「ローは昔っから古っちいドラマが好きでそういうキャラに憧れてたからね」


「なるほどな」


「他に質問ある?今のうちにドンドン聞いちゃっていいよ」


「ここから出るには人を殺す以外ないのか?」


俺は素朴な疑問を口に出す。

答えはわかってる。だが聞かずにはいられなかった。


「あったりまえっ!全員殺さないと出れないよ」


嫌な風が通り過ぎた。

分かってた。分かりきってた返事だけどいざ聞くとやはり怖くなる。


「だいじょうぶっ!私がついてるから!一瞬で全員殺してこのショッピングモールから出してあげるよ」


心強いのか、頼りないのか。

見た目だけみたら頼りなく見えるが、リンは見た目に反してクソほど強い。

さっきの戦いも子供忍者を一瞬で殺したんだ。

なんのためらいもなく…


「ねぇ、まずは3階に行って武器を調達しない?」

「3階には調理器具や玩具売り場がある」

「きっと戦いに役立つものがあると思うんだ」


こいつ、ホントにガキかよ

発想がぶっ飛んでる。やばい。


「わかった、近くにエスカレーターもあることだしな」


俺とリンはエスカレーターに乗って上に向かう。


「そういえば、リン、お前は何歳なんだ?」


「私?ピチピチの9歳だよ」


それでこの殺しの腕、推察力かよ…

こいつホントに人間かよ…


「あ、そうだ!私っていうかパートナーはみんなそうなんだけどさ、能力が使えるんだっ!」


そうリンが喋った瞬間だった。

突如、エスカレーターの上から手裏剣が飛んできた。


「あぶないっ!」


リンがナイフを振り回して手裏剣を弾き飛ばす。


「ロー、まだ生きてたんだね」


エスカレーターの上から見覚えのある忍者の風防した子供と気の弱そうなサラリーマンが顔を出した。


「あんなんで死ぬわけないじゃん。」

「僕の能力は忍術!ありとあらゆる忍術を使う能力!」

「身代わりの術を使って切り抜けたのさ」


つまり、リンが刺したのは身代わりのサラリーマンとロー

この2人は死んでなかったのだ。


「僕を本気で怒らせらどうなるか思い知らせてやるっ!」

「ロー忍法其の参!火遁の術!」


エスカレーターの上が燃え盛る。

やばいこのままだと俺は燃えてしまう。

徐々に火に近づいていく。

急いで俺はエスカレーターを下る。

だが次の瞬間、俺は動けなくなった。

まきびしが巻いてあったのだ。


「ぐっ、いってぇ」


足の深くまで刺さり歩くことさえもままならない。


「しょうがないな、私に乗って」


リンが背を向けて立つ。

エスカレーターが上昇するにつれ段々火が近づいて見える。

迷ってる暇なんかない。

俺は不甲斐ないが9歳の背中に乗った。

17にもなってホントに情けない…


「よし、じゃ行くよっ!」


次の瞬間、リンは火に向かって走り出した。


「えっ、ちょっ、リンちゃん何してんの!?ストップー!ストップストップ!ストオオォップ!!!」


俺はキャラも忘れて思わず叫んだ。

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