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1話

「ちょろいちょろいっ!」


少女が目の前のサラリーマン風の男をなんの躊躇いもなく斬りつける。

俺の目の前には、血だまりが出来る。

うえ、気持ち悪いっ…

しかし、少女はすごく楽しそうだった。


「なんだ、弱っちい…。早く次の人殺しに行こっ!」

うるさいうるさい、こっちは誰かを殺したりする趣味なんてないんだよ!


一体全体なんでこんなことになってしまったのか…

俺はただゲーセンで音ゲーしたかっただけなのによ




キンコンカンコーン

「ただいまより、あなた方には殺し合いをしてもらいます。」

「ただ、殺し合いをするにはあまりに人数が多すぎるので人数を減らします。」


は?なんだこのアナウンス?

そう思った次の瞬間、周りは急に静かになった。

さっきまでいたカップルが家族連れがチャラいやつが一瞬で消えた。

フロアにはただ俺だけが残されていた。


キンコンカンコーン

「今、店内に生存者15人だけ残しました。」

「他の人は邪魔なので消させてもらいました。」


は?は?理解がおいつかねぇ

消えた奴らはどうなったんだよ

てか、なんで俺が残されたんだよ


「あなた方には先ほども言いましたが殺し合いをしてもらいます。」

「ですがいきなりそんなこと言われても無理ですよね?」


当たり前だ。誰がお前の望み通り殺し合いなんかするかよ

俺は静かな店内を走る。

ホントに周りには誰もいない。

こんな気味の悪いとこは早く出た方がいい。本能がそう告げる。

走った甲斐あってゲーセンからエスカレーターまですぐ着いた。

その間もアナウンスはずっと続いている。


「なので、あなた方には好戦的なパートナーをあげます。」

「あなた方が殺す意思があろうがなかろうがパートナーは自分以外の生存者を殺すよう立ち回ります。」

「そして、パートナーが死ぬ条件はパートナーについた者の死亡。」

「それだけです。」

「なので生き残る為には、あなた方は殺しあわないといけないのです。」

「これで私からの説明は以上です。」

「細かいことはパートナーから聞いてください。」

キンコンカンコン


アナウンスが終わった時、既に俺はもう一階まで着いていた。

よし、これで変なデパートから出られる!

そう思った時だった。


突然ものすごい力で後ろから引っ張られた。

なんだ、なんだ?俺は思わず足を止めた。

すると、後ろには8歳ぐらいの女の子が立っていた。


「よろしくっ!私リンっていうの!!あなたのパートナーだよ!」


え?なんだ?パートナーって?

そういえばさっきの放送でなんか言ってたような…

走るのに必死で全く聞いてなかった…

いや、そんなことはどうでもいい!俺はこの場から逃げるんだ!

俺はリンとかいう奴の手を握って一緒に入り口まで向かおうとする。


しかし、リンはそれを年不相応の力で引き止めた。


「出るのはルール違反だよ!お兄ちゃん!」


え?なんだこいつ

怖い怖い怖い怖い怖い

俺がどんなに頑張って引っ張ってもビクともしない。


「私は人を殺すために産まれてきたようなもんだからさ、私に力勝ちするなんてムリムリ」


リンは俺に向かって微笑んだ。

俺はその時悪寒がした。

何者なんだよ。こいつ


「まだお兄ちゃんの名前聞いてなかったね。」

「お名前なんてゆうの?」


ここは正直に答えた方がいいだろう。

むしろ、逆らったらダメな気がする。


「俺の名前は、森上(もりかみ) (てる)だ。」


「ふーん、テルって言うんだ。じゃぁ、テルにいって呼ばせてもらうね!」

「よろしくね、テルにい!」


またリンは微笑んだ。


「さて、じゃあ生存者をバンバン殺していきますか」


リンはポケットから見るからに鋭利そうなナイフを2個取り出した。


「おいおい!マジで人殺す気かよ!」


「そうだよ、テルにい以外の生存者は全員ね」


なんでこんなちっちゃい子がこんなこと言ってるの?サイコパスなの?ねぇ?頭のネジ飛んでるの?

リンは楽しそうにブンブンとナイフを振り回している。

その動きも無駄がなく訓練されてるのが分かる。

とても8歳ぐらいの少女の動きだと思えない。


「ここがあったが100年目!勝負だ!リン!!」


吹き抜けで見える2階から子供の忍者っぽい風貌のやつが叫んでいる。

後ろには気の弱そうなサラリーンマンが不安そうにこちらを見てる。


「ムリムリ、ローには私は倒せないって」


リンはナイフを2階に投げた。


「そんなん当たるかよ」


ローと呼ばれた少年は避けた。

が、咄嗟に顔を青ざめ自分からナイフにあたりにいった。

当たったというよりは庇ったって表現が正しいだろうか。

リンは後ろのサラリーマンの人とローが一直線になる位置からナイフを放ってたのだ。

ナイフは当たったのは肩だから命までは落とさなかったがローはかなり苦しそうにしている。


「よし、テルにい!上に行くよ!」


リンが俺の手を引っ張る。

ものすごい速度でエスカレーターを上がる。

俺は引っ張られてるってよりかは引きずられてる感じで二階まで来た。

目の前にはオロオロしてるサラリーマンと肩に負傷しているローと呼ばれる少年がいた。



ここで、物語の冒頭に戻る。

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