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宵の文目  作者: けら をばな
第三話 「こんなぼくでも、君の涙を拭くことはできるから。悲しみを受け止めることはできるから」
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 ニギは家でごろごろと本を読んでいた。

 やることがない。やるべきことが見つからない。まあ、前ほど切実じゃあないけど。

 掃除、やった。洗濯、やった。料理、だいたいやって、コノハが帰ってくるくらいで揚げ物をやれば良い。

 うーん……。ごろんと横になる。

 ぼく、ちゃんとコノハの役に立ってるかなぁ……。


「……ニギ、ニギ」

 ゆさゆさと揺さぶられてニギは目を醒ました。

 夕の日差しに照らされるコノハの顔がそこにはあった。紫の髪は、影の部分の紫を一層濃くしていた。

「……!」

 既にコノハは仕事から帰ってきていた。

「ごめん、寝ちゃってて……」

 コノハが帰ってくる前にやろうと思っていたのに……。ニギは申し訳なさそうに、というか悔しそうに俯く。

「すぐ夕飯の支度するから。……ごめん」

「いやいや、何を言っている。やってくれるだけでも助かっているのに」

「でも……」

「いいんだ、本当に。本当なら……お前はちゃんと学校へ行って……」

「いいんだ」ニギは首を横に振った。「ぼくはコノハの役に立ちたい。コノハの負担になるようなことしたくない」

「ニギ……」

 ふたり俯く、静かな夕暮れ。


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