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宵の文目  作者: けら をばな
第二話 「よかったら、わたしと居てくれないか?」
32/51

二十

「ニギ!」

 バイクに跨がったフヨウが爆音とともにやって来て、珍しく声高にニギを呼んだ。ニギは眉を顰める。

「どうしたんだ、急に居なくなったと思ったら急に現れ――」

「ニギ、コノハさんが危ない」

 ニギは目を見開いて一もなく二もなくフヨウの後ろに跳び乗った。予期していたかのように、バイクはニギが座ったと同時に走り出した。

「アイツ、最近見ないと思ったら……コノハはどこへ行ったって?」

「《ビスビニア大森林》へ」

「本で読んだことがある。ざっくり言うと、危険なところだ」

「戦闘員は、コノハひとりだって」

「馬鹿じゃないのかアイツ!」

「もっとも、今回は単なる交渉で赴いたに過ぎないし、そういう場合相手に警戒心を与えないために、武力を最低限とすることは理にかなっている。もっとも今回その判断は馬鹿としか言いようがないけど」

「説教ばっかりして来たくせにアイツ! 移動手段は?」

「《ムニラ湖》って知ってる?」

「うん。《ビスビニア大森林》の丁度真ん中に位置する、滅茶苦茶大きい人口の湖だ」

「よく知ってるね。感心感心。そこへ水上機で着水予定」

「……間に合うの? ねえ、超音速機は使えないの?」

「使えるけど……そんなの降り立てるところ無いよ?」

「……ぼくに考えがある」


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