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三
ナイフを両手に持つ紫髪の少年は、扉をくぐった。
その先にあったのはまた扉だった。
その扉をくぐってみれば、また扉が現れた。
何枚も何枚も続く扉。呆れたように立ち止まる。しかし、ふうっと深い溜息の後、また扉をくぐる作業へと戻る。
少年は諦めていた。その扉の向こう側に広がる光溢れる光景を、心に描くことをやめてしまっていた。ただ惰性的に扉をくぐり続けるだけだった。そしてこれからも扉をくぐり続けるだけだった。
どうせ変わらない未来しか自分には用意されちゃ居ないんだ。
しかしながら少年の予想とは反して、突如、心の準備もさせてもらえないまま、彼の体は眩しいくらいの光に包まれた。




