六
ニギとフヨウとコノハとサクラ、男女二人ずつそれぞれで並んで歩いている。
「いやー、フヨウとサクラが居てくれて助かるよ。あの空間にわたしとニギだけでは、正直心許ないんだ」
コノハは笑った。ニギは眉を顰めた。
この〝紫鬼〟を萎縮させるほどの連中……?
身構えてしまう。それもそうだ、コノハの力は肌で知っているのだから。
「平気、コノハさんが言っているのは、そういう意味じゃないから」
フヨウは察してニギの耳許で安心させるように囁いて、優しく手を握った。
「……別に、怖がってるわけじゃない」
ニギは口を尖らせてフヨウの手を振り払った。
「くっ……!」
後ろで呻き声。振り返ると、コノハが片膝をついてしゃがみ込んでいた。
「え……?」
「……どうしようサクラ、さっきからコイツらのやりとりがあまりにもツボなのだが」
「アンタねぇ……」
サクラは心底嫌気が差したように溜息をついた。飲み込めないニギはフヨウを見る。フヨウは頷いて、
「コノハさんって、ぼくらみたいなかわいい男の子が大好きだから」
「……は? 誰が可愛いって? あとお前、自分で自分を可愛いとか言うか普通?」
「可愛いんだから仕方ないじゃない」
フヨウはニギの頬に自分の頬をくっつけた。ニギは顔を赤くして拒絶した。コノハは身をよじらせて悶絶した。
「ぐッ……! フヨウ! お前わざとやってるだろ! ダメなんだぞ! こっちは命かかってんだから!」
「…………え、アンタってこんなことで死ぬの」
かつて自分を殺しかけた強敵は、案外簡単なことで死ぬらしい。
「こんなこととは何だー。こんな光景はなー、お姉さんと一部お兄さんのー、恋い焦がれた光景なんだよー。永遠の花園なんだよー」
「…………」




