二
自信家を絵に描いたような、金髪の、緑色の肌をした女がひとり、壇上に上がる。下半身は蛇で、のそのそと這う。微笑を浮かべ丁寧に一礼する。
「知力の限りを尽くし、財の限りを尽くし、能力の全てで以て繰り広げられる、戦のための戦。
手段ではない、目的だ。
それは、人間の歴史にぴたりと寄り添ってきた。
愛する女のために。
家族のために。
一族のために。
誇りのために。
見栄のために。
叶えたい願いのために。
さまざまな理由を付けては、戦をしてきた。殺し合いをしてきた。
それが人間だ。
それこそが人間だ。
この物語でだって……各々が恨みだ金だ歴史だ平和だと、勝手な理由を付けては暴れ回っているが……そんなものは、どうでも良いのさ。
そんなもの、どんな意味も成さない。
そこに、ただ戦争があるのだ。
そこに、ただ戦争があれば善いのだ。
戦争が、戦争たれば善いのだ。
騙し、騙され、殺し、殺され尽くす。
それで善いのだ。
そうでなきゃならないのだ。
《秘宝》のため。そんな名目の下繰り広げられた戦だが……どうだって善いのさ。
相対した二人が殺し合えば善い。生き残ってしまったら、他の誰かと殺し合ったら善い。
戦のための戦。
サ、ともに歴史を積み重ねようじゃないか。
死体を堆く折り重ね、その上で笑おうじゃないか。
そして、――最後には、――その全てを、壊そうじゃないか」
一礼すると、女は音もなく瞬く間に焼失した。




