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思考が似てる?いいえ全然

3月10日

この日は聖皇の入学説明会が開かれる。去年の今頃は卒業式練習をやってたな…

(いやまてよ、去年の今頃ってなんかおかしくないか?だって俺は2回も小6やってるわけだし…ああもう、わけわかんなくなってきた)

「どうしたの?いきなり髪くしゃくしゃにして」

母さんが心配そうに見ている。っていうか周りの人みんなに見られてる。変人扱いはごめんだぜ。

「なんでもないよ。考え事してただけ」

「そう?それならいいけど」

それから少しのやりとりがあったが、時間に余裕をもって校舎に入ることができた。


in説明会―――


「それにしてもすごく広い体育館ね。小学校の4倍くらいあるんじゃない?それに造りもしっかりしてるし、なによりきれいね。いすも錆びてないし」

「小学校と比べることが間違ってんだよ。あんなド田舎のぼろい校舎とさ。あとこれは第1体育館。他に第2,第3体育館があんだよ」

―――それに聖皇は1,2,3年を厳しく区分けしてるから校舎も3つあるんだと。……聞いてないな。人がせっかく説明してやってんのに。

「えー、これより聖皇学園入学説明会を開会します」

そう言うとすぐさま

「学園長挨拶」

に入った。この学校、起立、礼、着席が無いんだろうか?それはそれで楽なのだが。

「みなさんこんにちは。当校の学園長時田正義(ときたまさよし)です。本校に入学されるにあたってまずは一言――――――」

「悠ちゃん、悠ちゃん」

体がゆすられてる…せっかく人が気持ちよくしてんのに母さんはもう!

「これにて新入生説明会を閉会いたします」

はっ!嘘だろ、説明会終わっちまったよ。寝てた、俺完全に寝てたよね?

(いや、でも俺は悪くないだろう。だいたいずっと席に座りっぱなしで体を動かす時がないんだから眠くなるのは仕方がない。つまり俺が悪いんじゃなく学校が悪いんだ。そうに決まってる)

「悠ちゃん、出入口のところで学校で使うもの一揃い売ってるからお母さん買ってくるね。ちょっと待っててね」

「待ってんの暇だから俺も一緒に―――」

……やめとこう。なんだよあれ、戦場だよ、戦場。これがテレビで言ってた『バーゲンは主婦の戦場』ってやつか。ここスーパーやデパートじゃないけど。だいたいこんなもんだろ。周りを見回すと、どこもかしこも似たようなもんだ。そこに1人の女性が目に留まった。

(うわっ、すげー美人さんじゃん。体はピシッと引き締まってるけど出るとこはきちんと出てる。モデル体型ってやつか。お近づきになりてー)

と思っていると、女性と目が合う。すると人ごみをかき分け、こっちに近づいてきた。

(まさかこのひと俺と同じこと考えてたのか?困ったな、たしかに俺のタイプだけどこんなところじゃいいムードもくそもない。まあメルアドくらい聞いてみるか)

そうこう考えているうちに女性は俺の目の前に立った。

「牧村悠平くんですね。少々お話があるのでこちらについてきてください」

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