夢おち?いやそんな馬鹿な…
「ふー、やっと新入生代表挨拶の原稿できた。もう朝か。徹夜なんて久しぶりだな」
時計を見ると4月6日AM4:00の文字が出ている。鏡を見ると隈がくっきりと。努力の証だ。プラス思考でいこうと思う。
思えばこの1か月はとても忙しかった。
「牧村悠平」
小学校に聖皇学園への入学が決定したということを告げると、普段は俺のことなんて気にもかけないような先生がたかってきたり。
(大人って汚いな…)
と思ったのは内緒だ。
「おい、牧村」
中でも1番よかったのはだれも俺に何かしようとするやつがいなくなったことだ。今まで何もしてくれなかった先生たちが、俺へのいじめを徹底的に取り締まったからだが…先生や学校にとって聖皇学園入学者の実績は何よりも重要なんだそうだ。聖皇の肩書は伊達じゃないな。
「今日は大変そうだし、少しでも寝ておくか」
そう考えた俺は本格的に寝に入った。意識が下へ下へと―――
「いい加減にせんか!牧村」
「へ?」
「やっと起きたか。俺の授業中に寝るとはなかなかいい度胸をしているな。まあいい、授業を続けよう」
そう言って教卓に戻っていく先生の後姿を目で追いながらさっきのことを考えてみた。
(まさかあれは夢だったってのか?あんなリアルだったのに。いやでも夢の中でも俺が2度目の受験ってことになってたし夢だったのかな?でも夢にしてはリアルすぎるな…起きても鮮明に覚えてるし。でもそんなことはどうだっていい!なんで起こしたんだよ先生。今が1番いいところだったのによぉ)
その日は起きてからも先生の話が耳に入ることはなかった。
これは最終話ではありません。